さらば冬のかもめのレビュー・感想・評価
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『お母さん犬の息子』って言葉が目立ちますね。
カギの頃『セルピコ』ての二本立てで見たと記憶するが、他の映画だったかもしれない、場所は川崎か大森。ストーリーを全く覚えていなかった。ロードムービーで酒を飲んだり、悪ふざけしたり、挙句の果てに買春までする始末。
今見ても、当時見ても感動できる箇所など全くない。
結局、アメリカの自意識過剰をアイロニーしただけだ。アメリ人の彼らが、差別するベトコンによってベトナム地から、ハリウッド映画並みのドタバタ姿で追い出されたのである。
その行為をこんなシュール過ぎる映画で代用して貰いたくない。
こんな奴らと嫌でもベトナム人は戦わなければならなかった。
この映画だけでなく、アメリカン・ニューシネマには、ベトナム戦争の敗北を重ねた、自意識過剰なアメリカ人の歪んだ表現内容の映画が多い。『スケアクロウ』
『真夜中のカーボーイ』なんか似ていると思わない?
追記 $40で8年の実刑!でも、
日本では75歳になると、$700で安心に殺して貰えるからね。南妙法蓮華経♥
追記
『真田ビッチ』って誰だろう?って当時見ていた
どんな組織でも「人」なのですね。
上命下達の軍隊組織ですから私情をさしはさむことはできないのですが、バタスキーもミュールも、心が痛んだことと思います。処分の不条理さに。
彼らに精一杯できることといえば、せめてメドウスを「男」にしてやることぐらいだったということでしょうか。あくまでも、命令は守らなければならないので。
バタスキーとミュールにメドウスの警送を下命した彼らの上官にしてみても気持ちは同じで、任務遂行に異例の長期間を許与したのも、「せめて途中で遊ばせてやれ」という含みだったと理解しました。評論子は。
そんな重苦しい気持ちで、やっとこさメドウスを送り届けたのに、彼の身柄を受け取った基地側の担当者は、そんなバタスキーたちの重苦しさを気遣うどころか、些細な書類上のミスをあげつらうばかり。
ほとほと嫌気がさし、真実(メドウスの脱走未遂)は伏せてしまったのは、メドウスの今後の処遇を慮ってということもさることながら、くだんの担当者に対する「当てつけ」(?)の気持ちがなかった訳ではなかったことでしょう。
けっきょく、どんな組織であれ、やっぱり、動かしているのは「人」だということになるのでしょうか。
そういう思いの一本になりました。評論子には。
(追記)
本作の邦題に入っている「かもめ」は、海の男…つまり海兵隊員のことなんですね。
彼は不名誉除隊(懲戒除隊)ということですから「さらば…」なのでしょう。
季節の「冬」は、実際の季節であったほか、軍隊から放逐されるメドウスの…そうして、そういう心情のメドウスを警送しなければならないバタスキーとミュールの心情的な季節感ということなのかも知れません。
そう理解しました。評論子は。
今見ても何度も見ても感じる所多い作品。
何妙法蓮華経
南妙法蓮華経ネタをかなり引っ張ってるな(笑)。このギャグは日本人以外でもウケるんだろうか?
大した罪じゃないのに投獄される若者に人生の楽しみを教えてやろうとする二人に感動しました。そして最後には、逃げるメビウスに怪我をさせたのに、逃げたわけじゃないと彼をかばう息の合った二人。殺伐とした軍隊の中にもいいおっさんがいるもんだ。
【”海兵隊魂”僅か40ドルを盗むもうとしたがために、8年の懲役を受ける事になってしまった新兵を刑務所に送る二人の海兵隊員が、彼に施した人生の愉しみ。】
ー バダスキー(ジャック・ニコルソン)とミュール(オーティス・ヤング)はある日、上官からある罪を犯した新兵、メドウスを刑務所に護送するミッションを言い渡される。
軽き気持ちで、そのミッションを受けた二人であったが・・。ー
・メドウスが司令官の奥さんの”小児麻痺献金”の募金箱から、生来の万引き癖故に、お金を盗もうとした(未遂である)事で、8年の実刑を受けた事が分かるシーン。
ー 海兵隊員であるから、上官の命令は絶対であるが、余りに重すぎる量刑である。ー
◇その事実を知った二人が、メドウス護送の一週間で、彼に経験させた事。
・3人で、楽しそうに安宿でベッドを取り合う姿。
ー 彼らの間に、護送する側、の敷居はない・・。ー
・ビリヤードの面白さ
・日蓮開宗の会での、不思議な経験
何妙法蓮華経・・。
・童貞のメドウスをポルノショップに連れて行ったり・・。
・メドウスに初体験させるために、娼館に連れて行ったり・・。
ー で、あっけなく10秒で射精した彼に、美しき娼婦に対して
”頼むよ、もう一度・・、お金は払うから・・”
と言って、男にさせるバダスキーとミュールの姿。ー
<メドウスと別れた後のシーンで、”これで、奴も大人になったな・・”と寂し気に語るバダスキーとミュール。
何だか、巨大な組織で働く男たちの、組織に対する小さな反逆心が、”海兵隊魂”を感じさせられた作品であったよ・・。>
アメリカン・ニューシネマ
"バッド・アス"
探してた
VHSのレンタルではじめてさらば冬のかもめを見てから、四半世紀ほどのあいだに何度かさらば冬のかもめのソースをさがした。DVDとかそういうものだが40あたりから、メディア等が貯まるのがいやになる。個人差があるし、置き場所や、貧富や気持ちの余裕もあるが、個人的には、断捨離の意図もあって、じょじょに膨らんだアナログレコードもCDもDVDもVHSも段階的に処分精算した。ただ数本の印象的な映画について、購入するあてもないけど、探したり検索することがあった。もちろんストリーミングも探した。初めて見つけた。確信はないが初めてストリーミングサービスに降りたと思う。気の利いたことばが出てこないが最高の映画だと思っている。
とてもよかった
万引き依存症みたいな若い兵士と彼を護送する年長の二人の兵士に友情が芽生え、発展していく様子が自然に描かれていて素敵だった。最終的にひどい裏切りにいたるのだけど、それもコミカルでセンスがあって面白い。終始寒々しく遣る瀬無い。若い兵士が童貞で、娼婦にほめられたがっていて、いかにも童貞らしいマインドを感じた。
未成年囚人護送珍道中。 なんでそうなるの?護送側が未成年囚人の面倒...
ロードムービーの素晴らしい良作
軍隊と新興宗教
年始早々インフルエンザで1週間寝込んだ。その最中に3回に分けて鑑賞。
ジャック・ニコルソンの主演作としては「カッコーの巣の上で」と対をなす作品ではなかろうか。
彼が「護送」することになった若い水平の精神が抱える問題点が、収監先であるポーツマスまでの旅の道すがらに明かされていく。一方の「カッコー」ではニコルソン自身が本当に精神に異常をきたしているのかどうかが主題となっている。
「冬のかもめ」のニコルソンは一介の水平なので精神病に関しては素人である。しかし、自分が護送している若者の「欲しくないのに盗んでしまう」癖や「母親に電話ができない」という屈折した母性への渇望を自然に感じ取ることができる。まるで一流のカウンセラーのごとく、この若者の問題行動の原因を親からの愛情不足だと喝破し、この護送中に人並みの生活の楽しみ方を教えることを自分の使命だと感じるのだ。
この姿は、まさに「カッコー」の収容施設の婦長が、収容者たちを精神病者として扱うことによって、やがては本物の精神病患者へと変えていくのと対極にある。
護送途中に立ち寄るニューヨークで日蓮正宗の集会や信者との交流が描かれる。この日本最大の新興宗教がアメリカ映画の中で正面から描かれていることに大変驚いた。
しかも、その宗教に対する眼差しは肯定的でも否定的でもなく、極めてニュートラルに感じさせる。
軍隊や学校教育、まして崩壊した家庭では救われなかった若者たちの拠り所となっている新興宗教の姿を何の衒いもなく描いている。
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