カポーティのレビュー・感想・評価
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作品完成か個人的好意か、作者の葛藤
総合:65点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 70
ビジュアル: 65
音楽: 70
自分の作品完成のために刑務所にいる犯人に近づき信頼を得る主人公。犯人の一人に好意を抱くようになりつつも、作品完成のために犯人に早く処刑されて欲しいと思う矛盾した心の葛藤を描いている。主人公の立場にたって、犯人が処刑されて思わず心が安堵するという本音をいったいどう処理すべきかという、作品制作の裏にある邪な心理の動きが楽しめる。
しかし作品として事件や犯人の事情についてもっと描いても良かったと思う。せっかくの凶悪犯罪であるのに、主人公の取材と心理の描写だけはもったいない。
肝心な部分を描かない表現
見終わった直ぐにわけが分からなくてもう一度見直したけどなお分からない。
なぜ成功した彼がこの殺人事件に引き込まれたのか。
なぜこの事件を境に執筆活動が手に付かなくなったのか。
言い方は悪いかもしれないけどよくありそうな殺人事件で、
お金を欲しさに勢い余って殺すつもりも無い人を殺してしまう犯人に
どういった感情移入をしてしまったのか。
そこ濁す事で誰にでも有り得る話にしたかったのじゃないかと思うけど、
もう少し色んなものをリンクさせて欲しいと思う自分は
まだまだ想像力と映画から感じ取る力が足りないと思う作品やった。
理解しきれず
自らの執筆のために犯人を利用し、割り切っている感すらあったカポーティに、以後、筆を絶つほどの心境の変化がどのように起こったのか、残念ながら自分には掴みきれなかった。
ついに犯行時の心境について聞くことができたが、むしろ特別な理由もなくその凶行に及んだ事実を知り、その深さに衝撃を受けたということ?
または、犯人に感情移入し過ぎて、目の当たりにした死刑執行の衝撃が大きかった?
そもそも、セレブだったカポーティがなぜこの事件に興味を持って取材を開始したのかというきっかけ部分についても特に描かれていない。
役者に関しては、カポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの粘着質の声が癖になりそう。アカデミー主演男優賞も納得。
犯人役のクリフトン・コリンズ・Jrも雰囲気があって良かった。
フィリップ・シーモア・ホフマン!!
カポーティの生き写しの演技を披露したと言われるフィリップ・シーモア・ホフマン。
カポーティの話し方は個性的で言葉は悪いですが彼に関わった人はちょっと気持ち悪い人だと感じると思います。
その特徴を見事に演じたからこそオスカーに選ばれたんでしょうね。
カポーティが「冷血」に注ぐ情熱は異常で犯人に殺害の状況を聞きだすため彼に取り入ります。その取り入り方がきたないというか非人道的で見てる人は苛立ちを覚えると思います。ただそこに彼の頭の良さがあるんですけどね。
彼は「冷血」の意味を犯行の冷血さだと言っていますが僕はカポーティ自身も冷血な人間だと感じました。
僕は「冷血」を読んでないですがこの作品を見て読んでみようと思いました。
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