カポーティ
劇場公開日 2006年9月30日
解説
05年度アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚色賞の5部門にノミネートされ、カポーティ本人に生き写しの演技を披露したフィリップ・シーモア・ホフマンが主演男優賞を受賞したドラマ。1959年11月15日、カンザス州ホルカムで農家の一家が惨殺される事件が発生。「ティファニーで朝食を」で名声を高めた作家トルーマン・カポーティは、この事件に興味を覚え、小説「冷血」の執筆を決意し、現地へ飛び、事件の容疑者ペリーと面会する。
2005年製作/114分/アメリカ
原題:Capote
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
スタッフ・キャスト
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2022年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
本作は『ティファニーで朝食を』の原作者が実際に起こった事件を題材にしたノンフィクションノベル執筆にあたり、とりわけ実行犯のひとりに情が芽生え、「友」としての自分と「商業作家」としての自分の葛藤を描く。
トルーマン自身の悲しい生い立ちや事件に対して「見たいように見たい」大衆に迎合しなければならない自身の立場、『アラバマ物語』で知られる“ネル”ハーパー・リーとの交流などを描く。
本作は小説『冷血』執筆から完成までの過程を描いている訳だが、作品の中で
「冷血」とは誰の事を指すのか?について言及される。
トルーマン自身は大衆受けを狙い、「男性的な」タイトルにしたというが、
この作品はトルーマン自身がもっと深い意味を込めたと私は解釈した。
それは大衆迎合主義の密やかな反抗であり、何もできない、むしろかえって傷つけてしまったかもしれない友人に対する彼なりのある種のけじめのようなものだろう。
それ以来、長編作品を上梓できなくなってしまったことがその何よりの証左だ。
自らを「冷血」な人間だと称すトルーマン・カポーティ。しかし彼は「あたたかい血」が流れている人間だったんだと感じさせる作品だった。
映画としては悪くないです。面白いです。
ただ、死刑囚側に絞った視点で、且つ犯人をいい人そうな役者が演じているので一瞬同情したくなりますが、一家四人を惨殺した季違い殺人鬼ですからね、一発死刑で問題なし。
取材のためか?同化してしまったのか?なぜあそこまで殺人鬼に肩入れするのか本人もわからないんでしょうが、その分からなさ加減と危ない変人ぶりを表現できる迫真の演技力は、演出の力もあるんでしょうが神業に近いですね。
冒頭からスっと作品の中に入って観る事ができました
特に大きい盛り上がりがある感じでもないのにカポーティに引き込まれる作品でした
小説のために犯人を利用しただけなのか、本当に友情を感じていたのか
あの後小説を完成させてないという事は友情があったのかもしれませんが、カポーティの真意はわかりません
良い人とは思えないカポーティなのに真意がどうかとかそういう事はどうでもいいと思えるような、なぜかカポーティには興味が出てくるような
評価の高い作品も納得でした
目が、特に。
本物のカポーティを見たことがないのでなんとも言えないんだけど、少なくともこの映画から察するに、書くことに対するプロ意識は怖いくらいにすごいんだけど、それだけでは割り切れない繊細さも持っていて、最後に後者が勝ってしまったような人物だったんだろうな、と。
普段のソフトな雰囲気と、目立ちたがりなところと、書いてるときの鋭さのギャップが印象的。
それにしても、ノンフィクションを書くというのは恐ろしいことだね。
『冷血』のあと、一つも作品を完成させられなかったというのも納得。
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