劇場公開日 2003年9月13日

閉ざされた森 : 映画評論・批評

2003年9月2日更新

2003年9月13日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

プロットよりもキャスティングに妙味

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ひとことで、<「プレデター」ミーツ「戦火の勇気」>。パナマの米軍基地にほど近いジャングルで、鬼軍曹ウエスト(ジャクソン)率いるレンジャー部隊が暴風雨のなか訓練中に消息を絶ち、数時間後2名が生還する。ジャングルで何が起こったのか? 調査にあたった軍のオズボーン大尉(ニールセン)と元レンジャー隊員の麻薬取締局捜査官ハーディ(トラボルタ)は生存者の「食い違う」証言を引き出して、やがて衝撃の真実を暴く。

ジョン・マクティアナン監督お得意の「密林=閉塞空間」で、異星人こそ登場しないが(笑)、「羅生門」風サスペンスが展開される。ワクワクの連続、と書きたいけれど、正直、強引な導入部から「?」の連続で、プロットの荒さが目立ってノレない。脚本は精緻な設計図というより、エレメンタルチーズのように穴ぼこだらけなのだ。とはいえ、配役はベターじゃないかしらん。謎を暴く女を演じるコニー・ニールセンは前作「ハンテッド」とは雲泥の差、勇ましくて「初めて」カッコいいと思った。「パルプ・フィクション」の「ビンセント&ジュールズ」の2人の会話の楽しさといったら! そのお楽しみはラストに用意されているが、彼らの軽妙さで救われている。

サトウムツオ

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