「ヘラクレスの苦難は続く」突入せよ!「あさま山荘」事件 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
ヘラクレスの苦難は続く
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原作(連合赤軍「あさま山荘」事件)は未読。
あさま山荘事件を警察の視点で捉えた本作は、事件の表裏の出来事をリアリティー溢れるタッチで描き、果たしてどこまでがフィクションなのだろうと思いながら観ました。
縄張り意識やメンツが現場を硬直させたり、指揮系統に混乱が生じたりと、警察組織の抱える矛盾が露呈していて、「敵は赤軍じゃないかも」的なセリフが印象的でした。
突入直前、鉄球をぶつけるのに邪魔な電線が切断されていないことが発覚する場面では、前日に確認していたにも関わらずいい加減な対応がされていて絶句させられました。
佐々淳行氏に降り掛かる苦難を伴うミッションの数々。警視庁と長野県警の関係を調整し、上層部からの圧に抵抗し、前線に出て直接指揮を執るなど、八面六臂の活躍の果てに訪れたクライマックス、突入シーンの迫真性(任に当たる機動隊員たちの決死の戦い)に息を呑みつつ、佐々氏が切り拓いた道の果てに訪れた結末は人質無事救出、被疑者全員確保と云う華々しいものでした。しかし、尊い犠牲を伴ったことも事実。この事件を教訓にして、ヘラクレスの苦難は果てしなく、続く…
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