「現実にあった昭和の事件の再現ドラマ」突入せよ!「あさま山荘」事件 akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
現実にあった昭和の事件の再現ドラマ
原作者がこの過酷な現場で、警視庁主導の秘密の作戦を練った佐々淳行氏。長野県警と警視庁とのいがみ合いは今となってはほほえましい。いや、昭和40年代の日本の雰囲気はこんなもんだったろうと思う。犯人たちを射殺せずに生け捕りにするために結果的に警察官二名が殉職。負傷者多数。民間人一人死亡。二月末の十日間。一番寒い時期である。山荘は水でびしゃびしゃにされ、ぐちゃぐちゃに壊された。
1972年の2月。予期せぬニクソン訪中という大ニュースがあった。赤軍派たちは、軽井沢のこの山荘で最後まで抵抗し、機動隊によって全員逮捕された。犯人たちの行動は、この映画ではほぼ描かれない。そのため、警察がなにを相手に闘っているのかよくわからない。人質が登場するのも一番最後であり、そこはひとつのカタルシスになっている。凶悪な犯人たちを生け捕りにせよと命じたのは後藤田警察庁長官の命令による。そこがこの事件の出発点だ。
どちらかというと終始警察マニア向けの映画であり、この事件をリアルタイムで知っている世代向けの映画だと私は思う。まったく万人向けではない。
それでも楽しめる部分はあった。役所さんや椎名さんたち役者陣は頑張っている。長野県警の電話係のお姉さんもいい味を出している。10日間の長い話なので、ついていくのは大変だ。テレビなら大抵のひとは飽きると思う。映画館なら観れるだろうけど。
犯人たちは全力で国家権力と闘ったし、警察も命を張って犯人たちを生け捕りにし、人質を救出することに尽力した。そのことはしっかり描かれていると思う。
この映画よりも たしか去年くらいにやったTBSのドキュメンタリーの方がとてもわかりやすくかつ衝撃的でよかったように記憶しています。
当時 なんのこっちゃわからん子どもだった私は大きな鉄球が山荘を壊してたことしかわかってないまま見て、後に次々出て来る情報におぞましさを覚えたものでした。