アメリカン・サイコのレビュー・感想・評価
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80年代、アメリカのプレッピー? ヤンエグ世代。 名刺のデザインや...
80年代、アメリカのプレッピー?
ヤンエグ世代。
名刺のデザインや人気レストランの予約が取れるかでマウントしあい、恋愛も友人付き合いも表面だけの空っぽ。
風刺が効いて真剣にマウントする姿は滑稽で笑えた。
裸でチェーンソー振り回す姿も
怖いんだけれどどこか笑える。。。
ホラー、スリラーとは一線を変えたムービー
クリスチャン・ベール。。。いいわ、やっぱイイ!!
シネマート新宿さんの企画で鑑賞。良い機会だから「植物系」以外を全部観ようと決めて。
まず、まず!とにもかくにも、クリスチャン・ベールがピッカピカに光ってます。いーなー。いーなー。
いい塩梅で狂ってる・・・いや、狂う寸前の綱渡り状態をなんとまぁ素晴らしく演じ切っていることか。
目の泳ぎ方、取り繕い方、エリート然とした立居振る舞い、程よくビルドアップした身体、ちょっとした心の動きが読み取れそうな表情。
いい!この作品の緊迫感、緊張感、人間の危うさ・・・彼の演技がなければこれほどの説得力は生まれなかったのでは?さえ思っちゃうほどでした。
ただの殺人ではなく「ちょっと尋常じゃない人」の殺人のプロセスは見ものです。殺さなくてもヒリヒリします。
ストーリー・演出も面白く、よくできているなぁと思います。
殺人シーンで怖くなるというよりも、ヒタヒタとそこに至っていくプロセスに恐ろしさを感じますし、人間が壊れていく内面の恐怖みたいなものが伝わってくる・・・精神的な怖さがうまく描かれていたかなって思います。わかりやすい異常シーンもありますが・・・主人公がどんどん怖くなっていく感じがいいですね。
また、ストーリーもよく練られていると思います。現実?虚構?な見せ方含め。
主人公のみにスポットライトを当てて「サイコ」な人を、そうなっていく人を描く・・という単純なものではなく(と思いますが)、そもそも1980年台後半のエリート金融マン達の人間味の無い、表面的な人間付き合い、判を押したように同じようなライフスタイルを競うような人間達の薄気味悪さ・・・そこから生まれてきたサイコな主人公・・・当時は生まれてきた土壌自体を皮肉っているように感じましたし、作品内でも、うまいこと人間味を感じさせない演出がなされていると思いました。
けど、こーいう世界が好きな人も沢山いらっしゃるんでしょうね。それを否定するつもりは無いですが、僕はちょっと気味が悪かったです。出てくる人物、全員嫌いです。
そんな世界で精神破綻していく主人公は一番人間味があったのかな?とさえ思いました。
精神破綻しないと若くして成功者(経済的、社会的)になれないのかなぁ?
探偵役のウィリアムデフォーが天使に見えました(笑)
あと、ネタバレっぽくなってしまいますが・・・・フィルコリンズとヒューイルイス&ザニュースが気の毒になりました。あんなに印象深いシーンで曲を使われるなんて。。。。本当に気の毒です。
ススーディオ、とっても大好きな曲だったのに・・それは変わりませんが・・・聴く度に思い出しちゃうなぁ・・・罪な作品です(笑)
ホイットニー側は許してくれなかったのかな?
秀作です!
現実と妄想の狭間で狂気が滲みだす
どこまでが現実でどこまでが妄想なのか、境界線が曖昧なままストーリーは進む。名刺のデザインの優劣で殺しを決行した辺りから、主人公の分裂に拍車が掛かっていったようだ。
クリスチャン・ベールの狂気に満ちた演技はジャック・ニコルソンにも引けは取らない。一流、それも超一流でなければ自尊心を満たすことが出来ない。自分というものを外からの肉付けで作り出すエリート意識の歪みを上手く描いている佳作であり、素晴らしいゴア映画でもある。
80年代ならではのブラックジョーク感、時計仕掛けのオレンジ的なノリ...
80年代ならではのブラックジョーク感、時計仕掛けのオレンジ的なノリを感じた。思ってたよりサイコパス感は無い。本当のサイコパスなら、反省したり自分のした事を告白したりすることは無さそう。ホラーに振り切り過ぎてなく、独特の雰囲気があるので人によって好き嫌いはあるかも。人間の弱さとかズルさ含めて色々かんがえさせられるのは面白いと思った。
ヤッたの? ヤッてないの?
面白いとは聞いていたものの、先延ばしにしていて、Netflixの配信が終わるタイミングに駆け込みて鑑賞。
あーおもしろかった!
し、めちゃウケる。
こんなにウケたのは「未来世紀ブラジル」以来かも知れない。
とにかく終始皮肉が効いててこちらをくすぐってくる。
ウォールストリートに生きるヤンエグたちの暮らしを当時のカルチャーとともに描くブラックコメディ。
オリバー・ストーンの「ウォール街」ではまだ食うか食われるかの騙し合いが描かれていたが、本作では仕事をしている気配そのものがない。
形式的に出社はするけど、頭にあるのは他人から見て自分がイケてるか、イケてないか、ただそのうわべだけ。
そのマウンティング合戦はほんとトレーディングカードとか、メンコの強さを競う小5男子と変わらないノリ。
白人・男性・エリートのみが参入できる戯れ。
町山智浩の評論本にも取り上げられていたけど、まあこういう連中はバブル日本にも実在したらしい。
ただ、彼らに「好きなものがない」というのはどうだろう?
空虚さを自覚するゆえに売れ筋のポップソングに過剰に移入する主人公は、「好き」とは言えないのだろうか。
その歌が好きなんじゃなく、投影された自己像を愛しているのだとしても、ほとんどのエンタメなんてそういうものでは?
自分の分身だから特別な思い入れがある。というのが愛ではないとしたら、「タクシードライバー」のトラビスに自分を重ねる秘宝界隈も同罪なのでは?
果たして自己愛の強い人間にはなにかを愛することはできない?
真の愛か否かなど、誰が何を基準に決めるのだろう?
こんなにも仕事してないのかね。
終盤の迷宮度が僅かに不充分だが。
クリスチャン・ベールの軽薄の奥に混沌残虐を湛え更に奥に尚も軽薄を敷く自己ベスト演。
米国のこの手の兄ちゃんらはこんなにも仕事してないのかね。んなわけないが、そこが笑える。
必見。
名刺バトルにテーマを込めて
個人評価:3.8
演出も映像もセンスがよく、クリスチャン・ベイルのコミカルなサイコっぷりも見応えある。
人間の中身には興味ないウォール街のニューヨーカー達と、サイコな妄想との二重構造の様な脚本と伏線が上手い。
有名な名刺バトルも、外側だけしか興味がない現代人の風刺の様にも思え、単純なサイコ映画とは一味違っている。
あなたはどっちがお好み?
パトリック・ベイトマン(クリスチャン・ベイル)はウォール街で、働くエリート。高収入でイケメン、高級アパートに住む彼は連続殺人鬼のサイコ野郎だった!!
っていうサイコスリラーと言うよりはブラックコメディでしたねー。
結構グロいのかなと思いきや、直接的なシーンはあんまりなく、わりと観やすかったです。
なんせ、クリスチャンベイルのぶっ飛んだ演技が最高でした!
主人公のベイトマンは見た目は完璧だけど、全然満たされてなくて、常にピリピリしてる。
エリート仲間との間で繰り広げられる名刺マウンティングは本当に意味不明だし、高級レストランの予約が取れないくらいで怒るなよとも思うけど、見栄の張り合いで見た目重視の人エリートたちにとっては最重要事項らしい。
自分より先に高級レストラン予約するやつ、自分よりセンスのいい名刺作ってくるやつは、そっこーでベイトマンの餌食になるのですが、恐ろしいシーンのはずなのになんか笑える。
くだらないことに一生懸命になって、イライラピリピリしているベイトマンはとても滑稽だけど、こう言うことって日常生活の中にわりとあったりする。
他人から見たらどうでもいいことでも、自分にとっては重要なことってある。
それが、傷つけられたり、バカにされたりするとやっぱり嫌だなと思う。
そんな気持ちをかなり誇張して描いてるだけなのかも。
ラストの意味はどっちの解釈もできる。
本当は全てベイトマンの妄想でしたor本当に殺人鬼だったけど、周りの人の無関心によりベイトマンの罪は無視されるの2パターン。
私的には後者のラストに一票。
自分の商売のために殺人現場をリフォームして素知らぬ顔でお客様に売りに出す不動産業者。
友人の名前もろくに覚えないエリート仲間や弁護士。
ベイトマンの必死の叫び声も他人の無関心の前にはなすすべも無く、殺人の告白すら相手にされない。
文書で読むと狂気に満ちたどうしようもない世の中で、なんか暗い作品のように思うけど、あくまでコメディなので、なんか笑えてしまう。
すごく不思議な作品でした。
残酷描写に多少の免疫があれば、楽しめる作品です。
ひとり残らず
最後、存在を無視され、それでもなお「オレの苦しみをひとり残らず味あわせてやりたい」と、周囲を見渡す主人公。
ひとり残らず殺して、地球上にひとりぼっちになりそう。
ポール殺しを追ってた刑事が、主人公の存在を認めてくれる人物なのかも。
その刑事ですら、「ポールとロンドンで食事した」という証言のせいで離れていくんでしょうけど。
そう考えると、秘書と、別れたくないと泣く女の子の存在が中途半端だな。
それにしても、映画前半では、名刺ですら見栄を張り豪勢な暮らしを見せつけるバブル男たちの薄っぺらい姿を、笑いながらもどこか羨ましく見てしまったが、ラストシーンでは、よりくだらない井戸端会議のオバちゃんぐらいに見えてしまう。
主人公が弁護士に存在の希薄なツマラナイ人間と言われた瞬間に、映画の観客の目まで変えさせる演出いいね、と思った。
序盤、名前沢山出てきてついていけないかも??って思ったけど、前半に人物・レストラン・ブランドの名前をこれでもかというぐらい出すことで、ラストシーンがより効いてるんだな。
勉強になりました。
流行り、もてはやされるもの、仲間、会社…共同幻想で構築されるものは、いきつくところはひとりぼっちなんですかね。
わたし個人は友だちがめっちゃ少なくダンナぐらいしか心許せる人いないから、そんな関係でも羨ましいと思ったり。
「この後も捕まらないのか、やっぱり逮捕されるのか」までは描かないクールな映画。
意外と(失礼!)面白かったアタリ映画でした★
音楽のセンス
結果、全てが彼の妄想だったのか!?
完璧主義を貫き通すのは実に大変で、誰の為に?自分の為に?一体全体、何の為に生きているのだろう?
あれだけ完璧でいて音楽の趣味が悪いのは、敢えてなのだろう?って個人的問題!?
TVに「悪魔のいけにえ」が映って、オマージュのようにチェーンソーを狙い定めて落とすシーンは、しっかり描写しても良かった?
C・ベイルの鍛えた体を見ると、"ブルース・ウェイン"が日々のストレスでトチ狂ったが如く、殺人衝動を起こしているように思える!?
現実か、それとも妄想か?!
⭐久し振りに鑑賞しました⭐
クリスチャン・ベイルのサイコっぷりは良かったですね!
人を殺害することでしか、自分を表現出来ない悲しさよ…。
会社社長の娘と付き合い、仕事も順調で、高級アパートメントに住み、仕事仲間とはスーツのブランドや、行き付け高級料理店、名刺の交換で優劣を競うだけ…
何と希薄な人間関係なのだろうか。
彼女も、パトリックの話など半分も聞いていない。
パトリックの負の感情が爆発する時だけ、本当の自分で居られるなんて、これはもうフラストレーションの塊。
アパートメントでの、奇声と共にチェーンソウで走り回るシーンも、誰一人として部屋から出てこない無関心さよ…。
後にこれが、ただの妄想なのか 究極の無関心なのか、少し混乱するかな。
殺したはずの、ポールとロンドンで食事をしたと言うお抱え弁護士も、パトリックを別人だと思ってるみたいだし、本当にポールなのかも謎。
皆がみんな無関心過ぎやしないか?!って。かなり解り易く 極端な社会風刺と思うけど(笑)、この病んだ世の中、誰もが鬱積した思いを抱えてる可能性があるんだと理解すれば、広い意味でパトリックがサイコなのではなく、正にアメリカン・サイコなんだろうなと思う。
ポール・アレンを殺してしまったパトリックは、失踪という工作をほど...
ポール・アレンを殺してしまったパトリックは、失踪という工作をほどこし犯罪を隠そうとしたが、ある日探偵(デフォー)の訪問を受ける。常に冷静さを保ち、自宅ではアダルト・ビデオを見ながら腹筋を繰り返すが、誰かを殺したくてしょうがない。そして娼婦を拾う。
婚約者イヴリン(リース・ウィザースプーン)もいるが、愛人もいる。覚えきれない固有名詞が飛び交い、ハイソな仲間とは名刺の品評会。ここでは笑ってしまった。ジェネシス論やヒューイ・ルイス、ホイットニー・ヒューストン論も・・・
結局、彼は自分よりもいい名刺を作ったことに腹を立てる。殺人を思いとどまったように見せかけて、死体は冷蔵庫にぎっしりつまっていた事実。心理的な面白さを追及はせず、どきりとするシーンや、世間の目。金持ちは犯罪など冒さないという偏見にも警鐘を与えていたのかもしれない。
しかし、緊迫感もなく、平坦なシーンばかり。一番盛りあがるのは、素っ裸でチェーンソーを持って娼婦を追い回すクリスチャン・ベイルの姿だろう。ジェイソンの亜流かと思ってしまった。
ただのスリラー物ではない。
金持ちのイケイケサラリーマンが
実は殺人鬼だった話。
と思いきや、驚きの展開だった。
最初は探偵にじりじりと追い詰められて
うわーーー!!!ってなる話と踏んでた、、
もちろんスリラーであるため、
主人公の猟奇的部分や多少のグロはある
今作にはそれに加え、
社会風刺という要素がプラスされている。
劇中の主人公のナルシストっぷりや、
金持ちスーツマンたちのやりとり、
会話や台詞1つ1つが
ラストに意味を持たせている!
自分を表現する場やツールが増えてきて、
インスタがはやってる今だからこそ
いろんな人に観てほしい映画だった。
その人たちがこの映画のメッセージに
気づいた時の顔が気になる気になる。
あと驚いたのはキャスト陣。
レトといいデフォーといい豪華!
サイコパスの対処法
ずっと気になっていた作品だったので鑑賞。自分が想像していたのとは少し違った。
ストーリーはあるエリートサラリーマンがフラストレーションがたまり次第に殺人を次々と犯してしまい…というもの。
個人的にはサイコスリラー映画の類は好きなのだが、そのサイコパスの描き方を重要視する。人間離れしすぎず、不条理なんだけど案外核心をついていたりするサイコパスは本当に怖いし、興味深い。しかしながら、本作ではその要素が足りなかったように思える。主人公がなぜサイコになってしまうのかという動機は明確だったが、他のキャラにその自我を訴えかけるってのが弱かった気がする。だからキャラとして怖くなかったし、安っぽく感じてしまう部分もあった。
見ものはラスト。サイコパスにとって一番の激痛は「他者の無関心」であると露呈する。これには確かに納得だ。他者が苦しんだり、困惑する様子に快感を覚えるのがサイコパスであろう。
ラストで全てが主人公の幻覚あるいは妄想だったという捉え方もできるが、上記の捉え方の方が自然だと思う。
結構有名どころの俳優陣を起用しているのも面白い。
ハンパな雰囲気ムービー。
前に観た作品を見返して、こんなに良い(面白い)映画だったのか!
となることはあるけど
本作に関して「?」は「?」のままでした。
ジャンルで言うなら、サスペンスではないし、スリラーの類でもない。
笑えるかと言えばそうでもなく…まぁノワールってことなのか。
あえて言うなら雰囲気映画か。
狂気は狂気のままで、ただ観客の前に提示されるだけ。
作品のどこを採っても中途半端な印象だった。
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