劇場公開日 2001年5月3日

「クリスチャン・ベール。。。いいわ、やっぱイイ!!」アメリカン・サイコ バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5クリスチャン・ベール。。。いいわ、やっぱイイ!!

2021年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

シネマート新宿さんの企画で鑑賞。良い機会だから「植物系」以外を全部観ようと決めて。

まず、まず!とにもかくにも、クリスチャン・ベールがピッカピカに光ってます。いーなー。いーなー。
いい塩梅で狂ってる・・・いや、狂う寸前の綱渡り状態をなんとまぁ素晴らしく演じ切っていることか。
目の泳ぎ方、取り繕い方、エリート然とした立居振る舞い、程よくビルドアップした身体、ちょっとした心の動きが読み取れそうな表情。
いい!この作品の緊迫感、緊張感、人間の危うさ・・・彼の演技がなければこれほどの説得力は生まれなかったのでは?さえ思っちゃうほどでした。
ただの殺人ではなく「ちょっと尋常じゃない人」の殺人のプロセスは見ものです。殺さなくてもヒリヒリします。

ストーリー・演出も面白く、よくできているなぁと思います。
殺人シーンで怖くなるというよりも、ヒタヒタとそこに至っていくプロセスに恐ろしさを感じますし、人間が壊れていく内面の恐怖みたいなものが伝わってくる・・・精神的な怖さがうまく描かれていたかなって思います。わかりやすい異常シーンもありますが・・・主人公がどんどん怖くなっていく感じがいいですね。
また、ストーリーもよく練られていると思います。現実?虚構?な見せ方含め。
主人公のみにスポットライトを当てて「サイコ」な人を、そうなっていく人を描く・・という単純なものではなく(と思いますが)、そもそも1980年台後半のエリート金融マン達の人間味の無い、表面的な人間付き合い、判を押したように同じようなライフスタイルを競うような人間達の薄気味悪さ・・・そこから生まれてきたサイコな主人公・・・当時は生まれてきた土壌自体を皮肉っているように感じましたし、作品内でも、うまいこと人間味を感じさせない演出がなされていると思いました。
けど、こーいう世界が好きな人も沢山いらっしゃるんでしょうね。それを否定するつもりは無いですが、僕はちょっと気味が悪かったです。出てくる人物、全員嫌いです。
そんな世界で精神破綻していく主人公は一番人間味があったのかな?とさえ思いました。
精神破綻しないと若くして成功者(経済的、社会的)になれないのかなぁ?
探偵役のウィリアムデフォーが天使に見えました(笑)

あと、ネタバレっぽくなってしまいますが・・・・フィルコリンズとヒューイルイス&ザニュースが気の毒になりました。あんなに印象深いシーンで曲を使われるなんて。。。。本当に気の毒です。
ススーディオ、とっても大好きな曲だったのに・・それは変わりませんが・・・聴く度に思い出しちゃうなぁ・・・罪な作品です(笑)
ホイットニー側は許してくれなかったのかな?

秀作です!

バリカタ
バリカタさんのコメント
2021年2月23日

良く太る良太さん、コメントありがとうございます。
いえいえ、こちらこそいつも楽しく読ませていただいてます。
そうですか!おすすめであれば植物系行ってみます。シネマートさん、期間延長という粋なことをされましたので。

バリカタ
よく太る良太さんのコメント
2021年2月23日

いつも楽しく拝見しています
この企画 さすがシネマートさん!って感じでいいですよね
個人的には「植物系」5作品のうち3番目に良かったですよ
強くプッシュするだけの責任は負いたくない作品ですが(^◇^;)

よく太る良太