「無になる辛さ」アメリカン・サイコ suzume426さんの映画レビュー(感想・評価)
無になる辛さ
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正直途中までは少しチープというか、
あんまり面白くないなと感じていました。
完璧主義で誰よりも勝っていたいという気持ちが強い主人公がなりふり構わず殺人を犯してるだけじゃん!と。
このまま、あからさまに人を殺しまくってくだけで、
どっかのタイミングで足がついて逮捕されちゃう映画なのかなー、なんて思いながら鑑賞していました。
そんな単純なものでは終わらず
最後の主人公の語りは
すごく哲学的で新しい感覚を覚えました。
人は誰しも『決してやってはいけないこと』があって、
それを自覚したうえでやってみると意外とスッキリしちゃったりするもんだと思います。
主人公は最上級にやってはいけない
殺人を犯すことで今までの心の膿をだしていた。
そんな部分でも本当の自分をさらけだそうと最後には叫んでみたものの
結局もみ消されたり、聞き入れてもらえなかったり…
懺悔もできず少しの浄化もされず…
殺人をしても咎められないのなら
主人公にとっての『やってはいけないこと』にはならないですよね。
それがわかって主人公は無になってしまった。
これでまた、同じような身分、身なりの中身のない人間たちに完璧な自分を見せていかなければならない。
『やってはいけない』ことがないって辛いことだと思います。
完璧主義も程々に。。。
衝撃的な内容でした。
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