「 アレグサンドロス・ザ・グレイト!アンジェリーナ・ジョリーの巻き舌...」アレキサンダー kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
アレグサンドロス・ザ・グレイト!アンジェリーナ・ジョリーの巻き舌...
アレグサンドロス・ザ・グレイト!アンジェリーナ・ジョリーの巻き舌r発音の英語が耳に残ってしまう・・・『小さな恋のメロディー』のマーク・レスターをも思わせる、少年期のアレキサンダーの可愛さも目に焼きついた・・・
世界史は好きだったし、こういう歴史スペクタクル映画は大好きだ。『ベン・ハー』、『十戒(“じっかい”と読む!“じゅっかい”ではない)』、『スパルタカス』、『サムソンとデリラ』などが特に好きだ。ただし、『クレオパトラ』やシーザーを扱ったモノに関しては、歴史に忠実すぎたり、視点が王族側だけだったりして、単に美術セットの素晴らしさだけの映画となって面白くないものです。この映画では戦闘シーンに力を注いでいて、血飛沫を上げたり腕を切ったりと残虐なシーンも盛りだくさんになっていて、ここだけ取り上げると反戦スペクタクルととる方も出てくるのだと思います・・・
しかし、“監督生命の全てをかけて史上最大のミステリーに挑む”とというコピーはおかしい。歴史教科書では3行ほどの扱いにしかなっていないものを詳しく紹介した、という程度であった。まず、父フィリッポスの暗殺とアレキサンダーの心理変化が撮れていない。暗殺事件が原因で東方征伐に出向いたわけじゃないので、父を超えたかった意味をこめたエディプス・コンプレックスというのも弱い要因だし、マザコンと母(女性全てともとれるか・・・)に対する復讐心が交錯することも不自然だ。結局、様々なヒント(実はゲイだったんだよ~みたいな点も含む)を提供するだけで何も解決になっていない手法だったのかもしれない。
とにかく3時間にもおよぶ超大作なのだ!これは間違いないのだ。消化不良気味のギリシア神話のエピソードやヘファイスティオン(ジャレッド・レト)の心理描写も問題ではないのかもしれない。ひょっとすると、「被征服民族に自由を与えた」などと主張していることから、アメリカがイラク戦争をはじめ第三世界への軍事介入を正当化している映画ともとれる。前半の見せ場であるダレイオス大王とのガウガメラの戦いでは、ヨーロッパ民族対アラブ民族のように感じてしまったし、逃げまくるダレイオスと臣下の者は、ビン・○ディンとアルカイダの姿をだぶらせてしまう・・・もし、そういう意図があるなら危険な超大作映画なのだろう。実際には、「大義名分のない戦争なんて無意味だ」というメッセージがあるのだと思いますが、表面だけ見てしまう可能性の方が高いような気がします。ダリウスが可哀想だと思った人はどれくらいいるだろうか・・・
エンドロール途中で帰る人が多かったけど、象も馬も殺していないのでご安心を!!スマトラで遺体救出のために頑張ってますので・・・