劇場公開日 2003年5月24日

「ジャック・ニコルソンの印象を覆す名作」アバウト・シュミット image_taroさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ジャック・ニコルソンの印象を覆す名作

2024年6月28日
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泣ける

笑える

幸せ

“怪優”とも表現されるジャック・ニコルソンの多面的な魅力を味わえる作品をひとつ選ぶとすれば、個人的には『恋愛小説家』なのだけど、『シャイニング』とか『ア・フュー・グッドメン』といった作品での怖い演技とは対極の、いい意味で人の“脆さ”“弱々しさ”“情けなさ”といった人間らしさを表現してみせた本作にも、この役者の懐の深さを思い知らされる。淡々とした語り口のなかにアイロニーを込めつつも、単に“老い”を描くにとどまらず、人が人とつながって生きることの尊さをこんな風に描いてみせた演出の素晴らしさも相まって、とても観ごたえのある作品になっている。全てのシーンが、涙と幸せのラストシーンに収斂する作りは秀逸だ。

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