「望むものを得ること、が幸せの唯一の道ではない」アバウト・ア・ボーイ 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)
望むものを得ること、が幸せの唯一の道ではない
数々のラブコメで軽薄なプレイボーイを演じてきたヒュー・グラント。
そろそろそういう役柄を演じるのはミスマッチな年齢になってるんじゃないの?って頃合いが秀逸に機能している。
それでもなおセクシーさは隠しきれていない。
もうとっくに子供がいてもおかしくない年齢にも関わらず、父の遺産管理でモラトリアムを突き進むウィル。
母親の趣味のヒッピースタイル故にいじめられているマーカス。
そんな変な組み合わせの2人がお互いに影響し合って何だかいい感じの巡り合わせになっていく様子は父と子のようであり、兄弟のようであり、友達のようであって何とも微笑ましい。
軽薄な男ではあるのだけど、時に道化に徹することができるウィルの優しさ。
色んなものに感化されながらも心根の部分で母への愛を示せるマーカスの優しさ。
それぞれの不器用な部分を持ちながらも、ドラマチックではない善性の発露が好ましい余韻に繋がる。
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