「カサヴェテスの名作」こわれゆく女 Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
カサヴェテスの名作
苦しくてたまらない一本だった。
ルイス・トマスの「人間というこわれやすい種」という本がある。
人間というものはこわれやすい生物だ、だから尊いんだ、という意味だ。そして、ヒトの本性の深いところにある特徴は、誰かの役に立ちたいという衝動だそうだ。
「人間はこわれやすい」ということと「人間は自分以外の何かの役にたちたい」ということは繋がっている。
メイベルの中心にひそむ矛盾、葛藤、弱点は、人間の本質なのかもしれない。
ブルーカラーのピーターフォーク。男臭がして色気があった。
「かけがえのないもの」と向き合ったとき、どう育んでいくのかを考えさせられた。我々の永遠のテーマが、どこにでもある家庭の中に描かれていた。
コメントする