宇宙戦争 : 特集
日本でも「スター・ウォーズ」祭りが始まった模様だが、この夏、もう1本絶対に見逃せないのが、トム・クルーズ&スピルバーグによる「宇宙戦争」。徹底した秘密主義に貫かれていた本作だが、いよいよその全貌が明らかになる。
地球侵略を企てる宇宙人をいかに守るか?
文・構成:編集部
今夏「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」と双璧をなす超話題作「宇宙戦争」が、まもなく公開される。つい先ごろイギリスで行われたアンケートで、“史上もっとも偉大な映画監督”に選ばれたスティーブン・スピルバーグと、ケイティ・ホームズとの婚約でプライベートも充実なスーパースター、トム・クルーズのコラボレーションというだけで話題性は十分だが、さて。
■超厳戒態勢で行われた試写会
日本で平日の水曜日に映画が封切られるのは、「マトリックス・レボリューションズ」以来のことだが、「マトリックス~」の時は公開日のずれが生じることでシリーズの結末が事前に知れ渡ってしまうことを避けるための措置だった。今回も基本的に理由は同じだが、「マトリックス」のように世界的ブームとなったシリーズものではない「宇宙戦争」が、なぜそこまで内容を隠し通そうとするのか? もちろん、理由のひとつとして海賊版の流出を防ぐため……ということももちろんある。
「スター・ウォーズ エピソード3」も全米公開日の5月19日には既に海賊版が出回っていたこともあってか、「宇宙戦争」のガードの固さは異例だ。6月13日に行われたワールドプレミア試写会も、当初は7000人近くを収容できる日本武道館で開催予定だったものが、ヴァージンTOHOシネマズ六本木ヒルズに変更。さらにプレス試写会来場者は身分証明書の提示に始まり、携帯電話を含むすべての手荷物は預けられ、座席番号が記されたリストバンドを手首につけ、貴重品は支給された透明の手提げに入れ、空港なみの金属探知機によるボディチェックを受けてやっと入場することができるという超厳戒態勢だった。
■最注目ポイントは“宇宙人”
スピルバーグの描く宇宙人といえば、まず思い出されるのが「E.T.」「未知との遭遇」。両作品に登場する宇宙人は、いずれも地球人類に対して友好的だが、「宇宙戦争」では人類をまるで害虫を駆除するかのように殺戮の限りをつくす。今回「宇宙戦争」が全世界同時公開という措置がとられたのも、その宇宙人のビジュアルこそが肝であるからだ。
これまでに公開されている予告編にも場面写真にも一切映し出されず(予告編にはチラリと影だけが映るが)、試写会は厳重に監視され海賊版を必死になって防ぐのも、すべてはこの宇宙人の姿を最後まで守るためといっても過言ではない。この夏、地球侵略を企て人類を抹殺しようと目論む宇宙人を、多大な労力でもって守り通す「宇宙戦争」。多少の違いはあるものの「E.T.」「未知との遭遇」の宇宙人は“ヒト型”であった。しかし、今回ここまでひた隠しにするからには、斬新なビジュアルが用意されているのか、あるいはそれ相応のサプライズがあるはず……。
“友好的な宇宙人”の代名詞として語り継がれる「E.T.」は、例えば月をバックに自転車で空を飛んだり、指と指をあわせるシーンとともに、いまだ地球外生命体との邂逅を夢見る世界中の人々に、夢を与え続けている。そんな「E.T.」生み出したスピルバーグなだけに、今度は対極的な“侵略型宇宙人”の代名詞となるキャラクターや名シーンを我々に見せ付けてくれるに違いないが、果たしてどんなビジュアルインパクトが待ち受けているのか? その全貌は各々の目で確かめてほしい。