劇場公開日 2006年2月18日

ウォーク・ザ・ライン 君につづく道 : 特集

2006年2月13日更新

Who is Johnny Cash?(2)

(文・構成:赤尾美香)

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♪ジョニー&ジューンの夫婦愛

ぶつかりあいながらも惹かれあった2人
ぶつかりあいながらも惹かれあった2人

古くはデラニー&ボニー、ソニー&シェール、ABBA……(って、全部破局してますが)。未亡人コートニー・ラブ&カート・コバーンはさておき、今ならブルース・スプリングスティーン&パティ・スキャルファ、マイケル・ペン&エイミー・マン、フェイス・ヒル&ティム・マッグロウ、エルビス・コステロ&ダイアナ・クラール、サーストン・ムーア&キム・ゴードン辺りがミュージシャン同士のおしどり夫婦か。けれど、ジョニー&ジューンほどの夫婦にはなかなかなれるものじゃないだろう。

1930年代~60年代まで存続したカーター・ファミリー(このファミリー・バンドなしにアメリカン・ミュージックは語れない)の一員であったジューンに、幼少期のJCは憧れを抱いていた。それからふたりは出会い、紆余曲折を経て結ばれる。友として同士として夫婦としてふたりは強い絆で結ばれ、それは生涯変わらなかった。

96年にJCは「ミート・イン・ヘヴン」という曲をアルバム「アンチェインド」に収録した。

ジューンを演じたリース・ウィザースプーンも アカデミー賞主演女優賞候補に
ジューンを演じたリース・ウィザースプーンも アカデミー賞主演女優賞候補に

「常々このタイトルの曲が書きたかった。父と兄の墓石に刻んだ言葉で、ジューンにもこの言葉を捧げたい。私達は34年間連れ添い、これからも永遠にそうであると信じている。そういうことを歌っているんだ。人は誰かと共に一生を歩いて行くのだ、ということをね」

03年5月、ジューンが逝った。それから4カ月後にJCは後を追った。ジューンの遺作となった」ワイルドウッド・フラワー」で聴くふたりのデュエットは、老いてますます愛情に満ち溢れている。天国で会ったふたりは、今も共に歌っていることだろう。

♪音楽マニアのための脇役情報

「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」 オリジナルサウンドトラック 2520円(税込)/ソニー・ミュージック
「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」 オリジナルサウンドトラック 2520円(税込)/ソニー・ミュージック

本作の音楽監督を務めたのはT・ボーン・バーネット。自らがミュージシャンにしてプロデューサーであり「オー、ブラザー!」や「コールド・マウンテン」でも音楽を手掛けてきた彼が、劇中ミュージシャンを演じる本物ミュージシャンの人選にも一役買ったことは間違いない。エルビス役のタイラー・ヒルトンは、マドンナが主宰するマベリックに在籍し、俳優としても活躍中。JCの親友ウェイロン・ジェニングスを演じたのは、ウェイロンの実の息子でシンガー・ソングライターのシューター・ジェニングス。ジェリー・リー・ルイスを演じたカントリー・シンガー=ベイロン・マロイ・ペインの母はグラミー受賞経験あり、父はウィリー・ネルソンのバンド・メンバー、名付け親はウェイロン・ジェニングス。

ロイ・オービソン役に抜擢されたのはスコットランド出身のジョナサン・ライス。05年にはR.E.M.のツアーで前座を務め、ソングライターとしても高く評価されている。またJCのバンドのギタリスト、ルーサー・パーキンスを演じるのは、ホワイト・ストライプスとも親交の深いオルタナ・バンド=ブランシュのリーダー、ダン・ジョン・ミラーだし、JCの母親役はグラミー・アーティストであるシェルビー・リンが演じている。

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