「シャマランとの相性」ヴィレッジ(2004) 77さんの映画レビュー(感想・評価)
シャマランとの相性
見終わった直後の感想はもう少し下、色々メッセージをかみ砕いた後の感想はもう少し上、結果妥協点の評価になってしまいました。
色んな意味で「ん〜〜。」な作品w
昨日『シックスセンス』をネタバレがわかってる状態観て悔しい思いしていたところに、『ヴィレッジ』も予備知識なしで観た方がいいと聞いて(これが既に予備知識なんですがw)情報を見聞きしてしまう前にと急いで観たので、オチにやたら期待してしまっていたのがまずかったですw
最初の方から村や田舎っていうより閉鎖された施設みたい、とかところどころなんでここにこんなものがあるんだろう、とか思ってしまっていたので拍子抜けというか、それだけ?まだなんかあるんじゃないの?と感じてなんだか不完全燃焼でした。
カタルシスを感じたくて観たようなところがあるので見方を間違えていましたw
ただ、期待値とのギャップでは点数はつけられませんがやっぱりシャマラン監督も「二回は観てね」という作り方をしていると思います。
『シックスセンス』がヒットしたばっかりにどんでん返しのイメージが先行して、(予告とのギャップもあり)損してるという声も聞きますが、結局ラストありきなスタイルなのでそれはフォローできないところです。(予告を出す限り0の状態で観るというのはなかなかできないんだからこの手の作品の宣伝は本当に難しいとは思います。)
わかってても楽しめた『シックスセンス』に比べ、退屈で眠くなる時間が長すぎました。
独特の雰囲気の“なんで”に対する答えがなかなか出ないもどかしさや好奇心がそれに勝ればいいのですが、オチ頼みな過程というのは言い過ぎかもしれないけどもっと観客を離さないぞという工夫が欲しかったです。
だからきっと二回目こそが楽しい作品なんだろうけどそのひっかかりがどうにも弱い。むしろまたあのダラダラを…と思うと気が進まないくらい。
静かでも惹き込まれる作品はたくさんあるのにそうならなかった理由は、二作連続シャマラン作品を観てなんとなく気付いたのですが私は彼の人物描写が苦手なのかもしれません。人物設定が興味深いものばかりなので余計気になってしまうのです。
理想郷であり逃げである閉ざされた村の“殻”を際立たせる存在ととしてメインの登場人物を「盲目」「寡黙」「知的障害」という設定にしたのはすごく面白い。
その三角関係によって平和という殻に愛でヒビを入れるというのも面白い。
長老たちの作り物の平和や作り物の価値観も次の世代には本物になっているとこも面白い。(無理があるとは思いますが)
うまく言えないけどその設定の面白さを最大限生かせてない気がしてもやもやするんですw
説得力がないというかそこでそう動くかなぁ?というような描写によくひっかかる。
ここからは映画から感じたこと。
平和を求めて閉じこもった長老たちには心の平和はあったんでしょうか。そして彼らは結局また“そのまま”村で生き続ける選択をしました。(ここが違ったらもっといい映画だったかも)
子供たちへの愛というけど嘘の恐怖で支配なんてしあわせなんでしょうか?もし自分たちの世代がみんな死んだ後に現実に気付いたら?知らないことはしあわせでもあるけど残酷でもあります。
自分たちの保身に子供の未来の可能性まで巻き添えにしているだけにも感じます。
人権とは選択だと思うのでいい大人になった第二世代くらいには教えないと結局あの村はだめになっちゃう気が。ごまかしなんて長く続かないものです。
世界の歴史をみると遠く離れた場所でもだいたい同じような組織や仕組みを設けて社会が成り立っています。
それが嫌になることもあるしあんな村があったら需要もあるだろうと思う。
けど結局人が二人以上集まれば何かが起きるしまた人はルールを作る。
人間って本当に矛盾な生き物ですw
“若手デ・ニーロ”のエイドリアン・ブロディの演技に魅せられました。
ブライス・ダラス・ハワードの演技もすごく良かったけどたまに絶対見えてるでしょって動きをするので“盲目のふりの演技”なら完璧だったのにと思いましたw
『ハプニング』くらいになるとポカーン(゚ д ゚)の域ですよねw
私も伏線がしっかりしてそうな作品は4時間以上余裕のある時に観るのですが、『ヴィレッジ』は1回でお腹いっぱいになっちゃいましたw
77さん、こんにちわ。コメントありがとうございます。私も「シックスセンス」のインパクト以来、彼の作品は結構観てるんですが、段々と方向性が複雑化してるってゆうか、分かりにくくなってる様に思えます。自分は落ち着いてじっくりと時間が取れてときに観る監督作品ですね(何度も見直し必要ですし・・・)