「塩野七生さんの西洋歴史の著作が好きで何冊も読んでますという方なら是非本作をご覧下さい あなたの為の映画です」タイムライン(2003) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
塩野七生さんの西洋歴史の著作が好きで何冊も読んでますという方なら是非本作をご覧下さい あなたの為の映画です
時間旅行物のSF映画は古くは1960年の」タイムマシン」か有名です
テレビでも1966年の「タイムトンネル」の人気が高く有名です
日本だと「時をかける少女」とか「戦国自衛隊」とかありますね
これ以外にも無数にあります
自分は1999年のテレビ映画の「タイム・シーカー(タイムクラッシュ・超時空カタストロフ)」という作品が好きです
おっと超人気映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズを忘れてはいけません
とまあ、このようにSF 映画の人気ジャンルであります
時間旅行物と一口に言っても、タイムパラドックスを扱う、物事のやり直しなど見所は作品によってそれぞれ
では本作の見所は?
タイムパラドックスでも、物事のやり直しでも有りません
歴史のスペクタクルを目撃する系
と勝手に分類するとこれにあたります
「タイムトンネル」がこれの始祖に当たります
第一回はタイタニック号に時間移動してしまう回でした
後は、アラモの砦とか、トロイ戦争とかありました
自分の好きな「タイムシーカー」では近代から現代の大事故、大惨事が多数扱われます
歴史のスペクタクルを目撃する!
といういう系統の映画のわりに、本作で扱うのは600年前の英仏間の100年戦争と地味すぎです
これでは観客の食指が動きません
誰もが知る歴史の大事件の現場でなければ!
でもそれ予算がかかりそうです
「タイムトンネル」は過去の歴史物映画のスペクタクルシーンを切り貼りしてしのいでいますが、流石にこの手はテレビでしか通用しません
巨大な予算をかけて歴史のスペクタクルシーンを再現するなら、時間旅行のSF映画じゃなくて、はじめから歴史物の大作映画で撮るわい!なんて身も蓋もない話になります
なのでよくまあこんな地味な題材を選んだものかと思います
正直よく企画が通ったなあと思います
そんな地味な時代に時間旅行してなにが面白いの?と普通なります
当時2001年公開の「グラディエーター」の冒頭のローマ軍団の戦闘シーンが歴史物好きに大変に評判となっていたのです
きっとこの路線でぼちぼちの予算でそういう映画撮れないの?という話が映画会社ででたのだと思います
1999年の本作の原作本がベストセラーになっていましたから、よしこれだ!となったものか
そのように勝手に邪推しています
それになんと言っても原作者のマイケル・クライトンは、「アンドロメダ病原菌」、「ウエストワールド」、「ジュラシック・パーク」などなどと映画の原作者として絶大な実績と信用があります
なので原作のなかなかにハードな量子科学とか、時代考証なんかは脇に置かれ、中世世界の映像化がメインとなっています
巨大な投石器の実物を使っての攻城戦、夜間の弓部隊の統制射撃の号令の光景、火矢の応酬をCGなしで実物でやるのはスペクタクルです!
このシーンはたまりせん
このシーンにカタルシスを感じる歴史物好きでないと、結局のところ科学的な時間移動のハードな講釈や映像表現も、タイムパラドックスのドタバタもない
なんとも、もの足らない映画だと感じてしまうのは致し方ないのかも知れません
塩野七生さんの西洋歴史の著作が好きで何冊も読んでますという方なら是非本作をご覧下さい
あなたの為の映画です
日本でリメイクして欲しいです
600年前の南北朝時代に時間旅行
吉野での発掘現場とか
あーやっぱり地味だなあ
趣味的過ぎですね
『最後の決闘裁判』
百年戦争が舞台です‼️
もし、未見であれば是非ご覧になってください。
塩野七生さんのルネサンスものの映画化も(まぁ地味ですが)見たいです。マルコ・ダンドロとオリンピア❗️
ローマでも、フィレンツェでも、ヴェネチアでも…どこでもいいのですが。