スパイ・ゲーム : 特集
イントロダクション
編集部
冷戦終結後、スパイ映画はめっきり数が減ってしまっている。もちろん、長寿シリーズの「007」は通算20作目となる新作が控えているし、「ミッション・インポッシブル」だって3作目の噂は現実味を帯びつつある。だが、これらのシリーズは、果たして“スパイ映画”と呼べるか? もちろん、世界情勢の変化にならって、スパイ=エージェントたちの役割も変化してしまっていることは分かる。だが、あまりにも荒唐無稽なアクションに頼りすぎて、スパイ映画本来の知的でクールな雰囲気がかけらもないではないか。
そんな折、この「スパイ・ゲーム」の登場である。「やはり、本物のスパイは生き残っていた」と喜ばずにいられない。スパイの技、心得、悲哀などがきっちり描かれた、昔懐かしいスパイ映画の香りが濃厚に漂う作品だ。子供のころ、駄菓子屋のスパイ玩具を手に憧れた、かっこいいスパイたちの物語なのである。
今回は、この映画に主演した2人のスター、ブラッド・ピットとロバート・レッドフォード、さらにトニー・スコット監督のインタビューを入手した。さて、彼らの「スパイ」へのこだわり加減は?