「脳裏に焼き付くシーンが満載の、ヒーロー映画の理想系!…ただしヒロインの描写は👎」スパイダーマン2 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
脳裏に焼き付くシーンが満載の、ヒーロー映画の理想系!…ただしヒロインの描写は👎
アメコミ映画の金字塔『スパイダーマン』シリーズの第2弾。
スパイダーマンとしての活動と自分の人生とのバランスに悩むピーターの前に、新たな敵「ドクター・オクトパス」が現れる。
監督は前作から引き続きサム・ライミ。
○キャスト
ピーター・パーカー/スパイダーマン…トビー・マグワイア。
メリー・ジェーン・ワトソン…キルスティン・ダンスト。
ハリー・オズボーン…ジェームズ・フランコ。
J・ジョナ・ジェイムソン…J・K・シモンズ。
ノーマン・オズボーン/グリーン・ゴブリン…ウィレム・デフォー。
製作総指揮/原作はスタン・リー。
また、本作から『X-MEN2』『ハルク』のケヴィン・ファイギも製作総指揮に加わっている(『1』にも携わっているようだが、そちらはノンクレジット)。
第77回 アカデミー賞において、視覚効果賞を受賞!
スーパーヒーロー映画の価値は、どれだけ印象的なシーンがあるかで決まるっ!
シナリオがイマイチでも、脳味噌にこびりつくような衝撃を受けるほどのアガる場面が一つでも有れば、それはヒーロー映画としては成功しているのだと思う。
その観点から言えば、本作『スパイダーマン2』はアメコミ映画史上最高峰の作品だと言っても差し支えないでしょう!
脳裏に焼き付くシーンとはどこか…?それは言うまでもなくあの電車のシーン!🕸🚃
後の『スパイダーマン』作品、『スパイダーマン:スパイダーバース』やゲーム『Marvel's Spider-Man』でもパロディとして使われた、まさに『スパイダーマン』という作品を代表する名シーン💕
スーツをボロボロにしながら、文字通り「体を張って」電車を止めるという行動に対する感動もさることながら、一番素晴らしいのは正体がバレることに対して、一切の躊躇も見せずマスクを脱いだところ。
あそこでピーターが一瞬でも躊躇していたら、ここまで感動的なシーンにはならなかっただろう。
ずっとスパイダーマンとしての活動に悩んでいたピーターが、ここにきて真のヒーローとして覚醒を果たす。
その後の乗客の対応を含め、激アツすぎて涙…🥲
ここはアメコミ映画史上最高のシーンである!異論は認めないっ😤
『1』の時と同じく、取り残された住人を助けるため火事の現場へ飛び込んでいくシーンがあるが、『1』とは違い本作で助けに向かうのは素顔のピーター。
こういう『1』との対比によりピーター・パーカーの成長を表すのも上手いです♪
電車のシーンとは違い地味だが、本作で最も重要なシーンだと思う。
スパイダーマンの能力の個性を存分に発揮する、上下のアクションも本作の白眉な点。
ドクター・オクトパスとスパイダーマンが、ビルの壁面を下がったり上がったりしながらバトルするというのは凄い発明!
あわよくばもっとこのバトルを見ていたかった。
このシーン、救助されたメイおばさんがピーターの正体に気付く描写がすごく良い。セリフで説明したり、過剰な演技やカットを用いることなく、ただ一言「あなたを誤解していたわ」。
尺を割くこともなく、スマートかつ端的に描く。匠の技です。
前作でも見え隠れしていたサム・ライミ監督のホラー愛。本作ではそれが爆発している。
オクタビアス博士がオペを受けるシークエンス。ここの医者を殺戮する描写は完全にホラー。しかも一昔前のホラー風に演出している。あまりにも唐突にホラー描写が始まるのでちょっと笑っちゃった🤣
オクタビアス博士の奥さんが死ぬシーンや、ハリーの下へドクター・オクトパスが忍び寄るシーンもホラー風味。
第1作のヒットを受けて、かなり好き勝手つくらせてもらえるようになったんだなぁ、と感じました。
どうでも良いんだけど、核融合実験の為に作った人工アームが既にオーバーテクノロジーものなんですが…💦
まずはそっちから先に世間に向けて発表したらどないです、博士?
一人の青年の苦悩と、ヒーローとしての覚醒はまさに「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という作品のテーマを表している。
メイおばさんがピーターに語るヒーロー論には思わず涙…。
本当に泣けるんですよねー、この映画😭
人命救助シーンも満載。前作から引き続き、この描写をしっかり作品に組み込んでいる所に好感が持てる。やはり、911テロから日が浅い時期に公開されているシリーズだから、この点をしっかりと描くことを命題にしているのかしら?
やっぱりヒーローの原点は人命を救うことにあるのだから、この点は今のヒーロー映画にも見習ってほしい。
何よりオープニング・クレジットにアレックス・ロス大先生を連れてきたのが素晴らしい!あのクレジットは全アメコミ映画に導入して欲しい!😆
ここを見られただけで、僕満足!
冴えない青年とデブのおっさんが戦う映画でも、要点を押さえれば素晴らしい作品になることを証明した偉大な一作。
それだけに、MJの描き方の酷さが作品の足を引っ張っていることが残念でならない。
マジでMJのことを好きな観客って存在するのか!?
どう考えても下宿の娘さんを新しいヒロインとして扱った方が良いと思うんですけど😅
本作の一番の被害者はオクタビアス博士でも博士の奥さんでもなく、宇宙飛行士のジェイムソンくんです。
マジでMJ関連のエピソードを全部作り直して、下宿のお嬢さんでロマンスしてくれたら超傑作だったのになぁ。
まあ気になる点もありますけども、基本的には大満足。理想的なアメコミ映画だと思うし、笑いあり涙あり恐怖ありの、三拍子揃ったエンタメ映画のお手本のような作品だと思う。
観賞後、しばらくは「スパイダーマン、スパイダーマン!フンフフンフフン、フンフフン♪」とメインテーマを口ずさんでしまうことでしょう!