スペース カウボーイのレビュー・感想・評価
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対策に追いつけないのは自分の理解力か
NASAの訓練シーンは興味深く拝見した。なかなか見れないシーンだったと思う。でも危機に瀕した事故後の対策があれがベストとは思えず、映画的な脚色と納得しよう。とは言いながら、全員を無事帰還させる術がないかとあれこれ考えて、ちょっと上の空になったのは事実。
名優たちのお元気な姿にあえて、それはそれで楽しい映画ではあった。
見なきゃ分からない面白さ
映画自動録画で色々な作品が機械に撮られている
『スペースカウボーイ』このタイトルを見た時に正直言ってさほど興味が湧かず削除しようかと思った
クリント・イーストウッドの作品だしどうしようか
とりあえず最初だけでもと再生したらどっぷり最後まで楽しんでしまった
いい加減な気持ちで見始めたのに最初の20分ほどでワクワク感が止まらず最後まで楽しめたことに感謝です
2000年の作品で監督は93歳、今もなお第一線で活躍中
私もそろそろ先の人生を考え始めていますが彼らのような人達がいるとまだ考えるのはいいかな、とも思ってしまうのです
もっともコレは映画の話ですけどね
どんどん年寄りの映画が増えてきているように思うのは私自身がそんな歳になったからだろうか?
昔もそのような作品があったのかあまり記憶にない
映画はいつでも楽しめる
どこでも楽しめます
そして、自分の直感など信用せず手当たり次第に見ちゃいましょう。
覚悟を決めた男の仕事
私にとっては評価の低いイーストウッド作品だが、キネマ旬報では第1位に…
以前観た時の印象が良くなかったものの、
キネマ旬報第1位作品なので
TV放映を機に再確認した。
しかし、これがこの年のNo.1作品かと、
やはり残念な印象が繰り返された。
キネマ旬報の選考結果を調べてみると、
前後の年に比べて、
この年の上位作品の得点数がかなり低く、
多分に、票がばらけた結果、
この作品がベストワンに
持ち上がったのではないかと勘ぐった。
「マディソン郡の橋」や
「グラン・トリノ」「ジャージー・ボーイズ」
等、好きな作品の多い
クリントン・イーストウッド監督だが、
彼の中では、改めて
かなり下位の位置付けになってしまった。
また、「マイ・インターン」に続いて、
己の年齢に近い主人公の生き様に、
何か掴めることもあるかな
との鑑賞でもあったが、
核ミサイル搭載の人工衛星の修理を
米国に依頼するロシア側の対応の不可思議、
NASAがベテラン過ぎる4人の宇宙初飛行を
無理栗に設定する不可思議、
お涙頂戴的な犠牲シーンをあからさまに
持ち込む不可思議、
等々、リアリティに欠け過ぎる
ストーリー展開そのものに没入出来ず、
鑑賞を終えてしまった。
ラストも良かった。「私を月に連れてって。」
退場の時は来たのです
時系列で整理するとこうなる
1997年10月14日
かって伝説的空軍テストパイロットだったチャック・イェーガーによる超音速突破の50周年式典が行われ、74歳になった彼が戦闘機で、その記録を達成したのと同時刻に超音速飛行を行った
1983年の映画「ライトスタッフ」は彼の物語
本作の劇中の新聞見出し「ライプスタッフ」はこれのもじり
1998年7月1日
アメリカで映画アルマドゲンが公開
1998年10月29日
かってアメリカ初の地球周回飛行で黎明期の伝説的宇宙飛行士になったジョン・グレンが、77歳でスペースシャトルに搭乗
宇宙ステーションに9日間滞在して大変な話題になった
映画「ライトスタッフ」にも「ドリーム」にも彼は登場する
2000年8月4日
アメリカで本作公開
つまり本作は、イェーガー、グレン、映画アルマドゲン、これらを三題小咄にしたみたいにかき混ぜてできた映画であるのはご覧の通りです
冒頭の1958年の実験機のエピソードはイェーガーの逸話と、X-2 の1956年の事故から発想したのもの
(但し現実のX-2 は2機だけ作られた単座機で、射出座席でなくカプセル式、しかもパイロットは事故死しています)
グレンの77歳での宇宙飛行は本作の劇中の台詞にも登場します
正規のエリート宇宙飛行士ではなく、非正規の宇宙飛行士がスペースシャトルに乗り込み活躍するのは映画アルマドゲンそのまんま
さらに言えば、終盤の月を見上げるシーンは、1995年の映画「アポロ13」のオマージュです
しかし出来上がった本作は最高の映画だ!
めちゃくちゃに面白い
脚本が素晴らしい出来映え
そしてイーストウッド初め配役された名優達は皆素晴らしい演技を見せる
脇役も40代のオールドミスのNASAの職員は特にチャーミングで印象に残った
彼女とトミー・リー・ジョーンズのロマンスシーンは最高の名演でした
特撮も凄い
スターウォーズのILMが担当していて、アルマドゲンみたいななんちゃってスペースシャトルではなく、限り無く実物に近い映像を見せてくれます
スペースシャトル、宇宙服、ミッションコントロールセンターのセットや小道具は見事につきます
どれもこれも限り無く実物に見えると、本物の宇宙飛行士が言った程
そしてクライマックスの大気圏突入シーン
衛星との衝突でダメージを受けたスペースシャトルの機体が赤熱して降下するシーンの手に汗握ること!
私達は本作公開の4年後の2004年に起きたスペースシャトルコロンビア号空中分解事故を知っています
だからこのシーンの描写の的確さ、怖さが半端では無いのです
この現実の事故では、打ち上げのときに燃料タンクの着氷の塊が、シャトルの耐熱タイルに当たったダメージから超高温のプラズマが機内に侵入して空中分解に至ったのです
しかもその当たった箇所は、本作の劇中で激しく赤熱する主翼の前縁部だったのです
劇中では盛大に衛星と衝突して、タイルが幾つか剥がれている描写もあります
ですから公開当時よりも、これから起きることの恐ろしさの意味を良く分かって観ることになるのです
つまり公開当時の二倍増しでハラハラさせられるのです
特撮について気づいたこと
宇宙空間の映像も太陽の位置、月の位置、地球の位置、シャトルの向き、衛星との相対位置
これらをパズルのように光と影の関係を計算して実写と特撮、CG全てに辻褄を合わせて合成しています
本作から既に20年経過して、日本でもCGのノウハウは蓄積されているから、ほとんどのことは技術的に模倣できるでしょう
しかしこのような宇宙空間での位置関係が光源の位置がCGパートだけでなく、実写パートの照明とも整合性をとれているか、そこまでこだわり抜いているかというと、残念ながらまだまだその域にまで達していないことが痛感されます
そもそもそんな宇宙空間の光源の移動、相対的位置に思いを巡らせる理系的な感覚がまだ日本には無いのです
そこが日本の特撮の決定的な立ち遅れの本質なのではないでしょうか?
そのようなことを考えさせられました
老人の活躍について
超高齢化社会に既に日本は突入しています
本作のチーム・ダイダロスのように、幾つになっても現役で活躍して貰うことは良いことです
日本でも大昔に作られた大規模なコンピューターシステムは、もう誰も中身が分からないものがあるそうで、書かれたプログラム言語を使える人間は、老人になって引退している当時のプログラマーを呼び戻して来ないと手に負えないそうです
特殊な技能、失われた技術を持つ老人にはいつまでも活躍をして頂かねばなりせん
その一方で老害という言葉があります
特殊な技能や知識をもつわけでも無いのに、いつまでも引退しない老人達が現役ではびこっているのです
古いレガシーなやり方、環境が温存されているのは彼らが去らないからです
若い世代には、ポストも権限も部下も、活躍するチャンスも与えられないのです
いつまで待っても来ないのです
老人達が立ちふさがっているからなのです
映画のように本当には上手くはいかないものでしょう
コロナやオリンピックの対応をみれば分かる通り老人ではシビアな決定的瞬間に対応できないのが現実なのです
だから、本作を観て老人達は溜飲を下げて夢を見る
それだけにして貰いたいものです
余計に発奮して更に引退を先延ばしにはしてもらいたくないのです
団塊老人達は既に70歳を超えた頃でしょう
もういい、若い人に道を譲るとき時が来たと本作を観て逆に悟って頂きたいのです
ライトスタッフのチャック・イエーガーは、2020年12月7日に亡くなられていました
97歳だったそうです
退場の時は来たのです
この映画にはヒゲダンの歌が似合うと思う、ラフターとかイエスダディとか
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