スナッチ : 映画評論・批評
2001年2月15日更新
2001年3月10日よりスカラ座1ほか全国東宝洋画系にてロードショー
ブラピが、マドンナが惚れた才能が今花開く
20世紀最後で最大の逆タマ、ガイ・リッチーの第2作。デビュー作「ロック、ストック&スモーキング・バレルズ」にハマッたのは年上妻マドンナだけでなく、トム・クルーズ、ブラッド・ピットらも熱狂。で、この「スナッチ」にはブラピが破格の低ギャラで出演、堂々拡大ロードショーだ。
でも、基本的にはインディーズっぽい。86カラットの大粒ダイヤをスナッチ(強奪)しようと、ロンドン下町暗黒街につながる総勢13名の小悪党と犬1匹が、だましだまされの大騒動。スタイリッシュだがマンガチックな、爆走ギャングムービーだ。
新作「トラフィック」でも注目のベニチオ・デル・トロはじめ、よくぞこれだけ揃えたもんだと感心するムサい面構えの品評会。1人美形のブラピは流民のボクサーという役柄上、上半身ヌードで色を添える(?)のだが、言語不明瞭でほとんど犬並み(←ひどい!)。彼がハートブレイクする見せ場もあるが、その対象は恋人ではなく、おっかさんだし、ガイ・リッチーの映画は官能性とは縁が薄い。「BROTHER」みたいなホモっ気もないし、男どもの欲望はひたすら金と権力に疾走して自爆(笑)。マドンナ姉御もそんなところがカワイイ?と思ったのかな?
(田畑裕美)