攻撃

劇場公開日:

解説

第2次大戦下のベルギー。米軍のある中隊では、無能な中隊長クーニー大尉のミスによって多くの兵士が戦死。その上官バートレット大佐は有力者でもあるクーニーの父のコネで出世を目論んでいたために責任を追求しようとしない。そんな中、小隊長コスタ中尉が不満を募らせていく。やがて中隊に新たな命令が下るが……。軍隊を痛烈に批判した異色の戦争映画。反骨の名匠アルドリッチ監督の力作。

1956年製作/107分/アメリカ
原題または英題:Attack
劇場公開日:1956年11月1日

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映画レビュー

4.0社会問題を制度に解消させない男達のドラマ

2021年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

日本の社会派映画にはとかく問題を組織や制度の問題に解消して、「後は観客が考えて投票しましょう」というバカげた結末の作品が多い。
この系統の映画の特徴は、例外なく人間ドラマを喪失して、何だか社会学系の書物を読んでいる気になってくる点にあり、ちょっと賢い観客からは「そんなことはみな教科書に書いてあるよ」と小馬鹿にされてしまう、という有様である。

ところが同じ社会派映画でも、男一匹ロバート・アルドリッチは断固として違うw
「制度? 組織? そんなものは犬にでも喰われてしまえ」と言わんばかりに、男のドラマのみを追求する
刑務所の暴力的受刑システムを題材にした『ロンゲスト・ヤード』しかり、貧困にあえぐホーボーを取り上げた『北国の帝王』しかり、男と男の戦いのドラマという視点を絶対に手放さない。

そして本作である。これも第二次大戦中の米軍組織の不平等で恣意的な任官により、無能な軍人が指揮官となった結果、多くの兵士が犠牲になっている問題を取り上げながら、あくまで視点は男と男のケンカ映画なのである。
登場するのは、一人は人間的に不屈で部下思いの小隊長、いま一人は大人になりきれないまま多数の兵士の生死を左右する中隊長になってしまった男。
この2人の約束と裏切り、裏切られた者の憎悪と怨念、逃げた者のあがきと、多数の兵士の死を巻き込んだ戦いをドイツ軍との戦いそっちのけで描いている。

戦争映画としてはあまりに異色な本作は、骨太な人間ドラマを描いた傑作であり、だからこの白黒映画がいまだにテレビで放送され、毎年ファンを増やしているのだと思われる。

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徒然草枕

3.5現代にも通じる内幕劇

2021年9月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

部隊内幕にフォーカスした戦争映画。登場する偉い人、部下、更にその部下、それぞれキャラはあるも、現代の戦争映画でもそれをなぞる設定と思われこれは原点的なものか?

腐敗、お友達、裏切り、職業兵士、入り混じる中でタフに兵士として戦わなくてならない時代に生まれなくてよかった。しかし現代ではサラリーマン社会で同様が起こっているのか?

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