恋人たちの食卓のレビュー・感想・評価
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三人姉妹ではなく…
実はお父さんの物語ではないですかね、本作は。
早くに妻を亡くして、料理人として男手一つで3人の娘を育て上げたお父さんの物語―。
子供はいつまでも子供でいるわけではなく、成長するに従って進学もすれば就職もする。女の子(女性)であれば、恋人ができて恋愛に悩むこともあるでしょうし、結婚・妊娠という出来事もあり、その間には悩み、苦しむこともあるでしょう。
しかし、お父さんには、毎日曜日の夕食として、娘たちのために料理を作り続ける以外に、どうすることもできない、何もしてやることができない―。その男親の気持ちが、本作の「お父さん」の背中からも、痛いほど見て取ることができたように思います。
ホームドラマって、本当はこういうものだったのでしょうか。
映画ファンでいたことの歓びを感じます。また良い作品に出会うことができて。評論子は。
アン・リー×ラン・シャン
いきなり食欲がわいてくるオープニング。料理の腕前も撮影の腕前も最高だ。
家族とそれぞれの恋の話
子供の成長、巣立ち、恋愛、老化、死、色々なテーマが語られます。家族それぞれにフォーカスがあたり、少しオムニバスっぽいのですが、豪華な本格的中華料理が数々登場し、上手く間を繋ぎます。見事な中華料理をつくる描写も一見の価値がありますが、家族それぞれのストーリーも大変面白かったです。クリスチャンの次女や、恋愛感などが、台湾らしく(中国とは異なる)、古い映画なのに現代の私たちが見ても違和感がないと思います。
飲んで、食べて、恋をして。
一流の廚師(シェフ)である父とその三姉妹。毎週日曜日夕食を囲む、という約束事があり。
その夕食の席の都度、誰かが何かしらを告白し、物語が転がっていく。
過去の傷から抜け出せない、化学教師の長女。仕事に恋に、キャリアを重ねる次女。ウェンディーズでバイトする、女子大生の三女。
三姉妹がそれぞれに愛らしく、話が進むにつれ活きてくる、その設定が素晴らしい。
人間の根源的な欲求たる食事、そして、恋を、軽やかに描いた極上のエンターテイメント。
'そうきたかー⁉︎'、と何度も膝を打ちました。
(昔観た筈なのに…)
見終えたら、恋したくなるし、何より、中華が食べたくなります。繰り出される料理の数々、刺激されること請け合いです。
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