スキャナー・ダークリーのレビュー・感想・評価
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ぼんやりとした世界観が最高
印象として「寝られる」をつけましたが、コレは決して悪い意味ではありません。
逆に今作ではそれが醍醐味だと思います。
なんと言いますか……この浮遊しているような、ぼやけているような。
不思議な世界に浸ることができて、すごく濃密な体験が出来ました。
主人公のボブは、潜入捜査官としてジャンキー達と生活をするも、やがては自分を見失っていき、壊れていく。
一見するとただただ主人公が成長しない、堕ちていくだけの作品に思えますが、何故かすごく面白いです。
あと前編アニメーションであるところも、独特な雰囲気を醸し出していて非常に素晴らしい。
『トレインスポッティング』を彷彿とさせるように、麻薬の恐ろしさを描く映画としても傑作なのかなと思います。
原作既読だったが、思っていたよりいける
劇場公開時鑑賞。ディックの原作をキアヌ主演で変わった手法でとった映画くらいの認識だった。あれ?リンクレイター監督だったの? 映画にするには難易度高いのを選んだなと思ったが。
ミイラ取りがミイラになる、いやミイラがミイラ取りになる、いやいやミイラ取りミイラがミイラミイラ取りになる話。どれでもないかも。
タイトルなし
目新しい作風の映画。実写にペイントを重ねた独特の映像は正直キモいし、不快。冒頭の虫とか本当にキモい。
また、薬で自分も周りも狂っていく様は見ていてなんだか不安になってくる。
今までにない感じの映画だったが、世界観やストーリー等の内容は正直微妙。
はじめは3D CGを特殊なレンダリングを用いて作られたのかと思った...
はじめは3D CGを特殊なレンダリングを用いて作られたのかと思った.しかし,登場人物の動きの滑らかさがCGのそれでは明らかにない.付録の製作過程を見ることでアニメーターのすさまじい労力の果てに作られた作品だと知り,驚くばかりだった.プロットの難解さは,ディックの小説だということを知っていたのでむしろ映像があり登場人物の区別がつきやすかった分許容できるものだった.自身が薬物を多量に摂取しながら執筆したディックの,不幸になっていった友人たちに捧げられている作品であることもあり,権力と結びついた薬物,警察,医学間のどろどろとした様子を告発する作品だった.
''観るドラッグ''
終始グラグラしたアニメ演出でドラッギーな作品でした。実写の映像にペイントしているのでキアヌをはじめとした豪華な面々の仕草や表情が活きています。
ストーリーがあるものの演出のせいか芸術作品を観ているような感覚になりました。
この世界観が好き
フィリップ・K・ディック自身のドラッグ体験を元にした小説が原作の作品。
フィリップ・K・ディックのSF世界にドラッグの組合せ、そこにアニメ調の映像が加わるので、苦手な人もかなり多いのではないかと思います。
私はこの時点ですでに期待しかない心境で鑑賞したのですが、あれ、画面壊れた?と思わんばかりの斬新な映像表現方法もツボにはまりお気に入りの作品です。トリップ感、勘繰ってしまう感じ、禁断症状などのドラッグ描写は秀逸。
小難しさは薄めなのに独特の世界観は十分に描かれているので、全体的なバランスがよく感じました。
ちなまにこの映画は23日で撮影が完了し、アニメーション処理に18ヶ月かかったそうです。
“Slow death“ やってみたかった!
先ず何故わざわざアニメにしたのかが疑問なのですが、多分こういう映像をやってみたかったのではないかと思われます。多分大変過ぎたんでて、その後あまり似たような作品が作られなかったのである意味唯一無二です(あ、「ゴッホからの手紙」っていう俳優の動きを油絵でアニメにしたっていう、もっと狂った所業の作品はありますが)。
ドラッグを使ってトリップしてる感じが良く出来てる不思議な作品ですね。冒頭の虫が身体中這ってるのは気持ち悪いですけど、きっとドラッグやってる人ってあのように感じるんでしょうね。怖い怖い。
何となくですがキアヌ・リーブスはこういう実験的な作品にでるの好きそうですよね。ウィノナ・ライダー、ロバート・ダウニーJrと中毒ガチ勢がしっかり脇を固めてます。特にロバート・ダウニーJr ってアイアンマン前の映画ですが、なんとも楽しそうにやってますね。これまた何となくなのですが、ウッディ・ハレルソンって見た目とは逆であまりドラッグやらなさそう。いや実際の所は知らないんですけど。何となく。
もう全然バッドエンドと言っても良い展開ですけど、こういうのハマる人にはハマるだろうなぁっと思って観てました。
ドラッグについてのドラッグな映画
アニメではなく、グラフィック・ノベル調でつくられてます。「シン・シティ」を想像してもらえるとわかりやすい。
アメリカではメジャーなタッチだけど、(僕も含めて)日本人にはなじみがないかも。だけど、内容が薬物中毒についてなので、こういうタッチがすごくいきてます。SF界の巨匠ディックの原作だけど、話も裏の裏まであってよくできてる。
あと、「ビフォア・サンライズ」シリーズのような優しい作品をつくってるリンクレイター監督の作品なのが意外です。
終始ドラッギーでくらくらする((+_+))
フィリップ・K・ディック原作の映画は相当作られてるけど・・・
これは今までの中で一番原作に忠実な映画化じゃないかと思う(^O^)/
まずロトスコープっていう、実写で撮影した絵をなぞってアニメーションにするという途方もない手間がかかる手法で作ってることで、この話の持つドラッギーさがうまく表現できてると思う。
麻薬中毒者が体中虫が這いずり回る幻覚を見るところから始まるのは相当なインパクトがあって(・∀・)イイ!!
その後の会話も頭がおかしくなってるから、何を言ってるのか全然的を得ないという、観てる方が混乱してくる(;´∀`)
麻薬取締官のボブ・アークターが人前に出る時に着るスクランブルスーツという被り物を着て、常に色んな人間の顔が入れ替わるスーツを見せることでさらに混乱度合いは倍増(;・∀・)
その上司ですらお互いの素顔がわからないという徹底ぶりで、こんなスーツを着た奴が2人もいたらもう何が何だか(-_-;)
実はそのボブ自身が「物質D」という超強力な幻覚作用をもたらし、末期になると自分が誰なのかさえもわからなくなるという麻薬を常用していて、捜査官なのにその中毒患者である自分を監視しているという設定には頭が・・・((+_+))
急に意味不明な言動をとったり、急に目の前の人物が虫に変身したり、自分で自分を監視する任務と言い、さらにそのスクランブルスーツと言い・・・さらにこのロトスコープの映像を掛け合わせるとそりゃあ観客の頭もちんぷんかんぷん(@_@;)
麻薬中毒患者と共同生活をしているドナという女がいて、実は彼女こそがボブの上司で物質Dの出所を捜査している捜査官。
物質Dを製造しているのは麻薬中毒患者の更生施設の「ニュー・パス」という事実を突き止め、そこには中毒患者しか入れないため、ボブを利用してそこに送り込もうとしていた。
ところがドナも自分が誰に利用されてるの分からない。
ボブはニュー・パスに送られて農場で作業をしていると、青い小さな花を見つける。
もう脳に障害を持ってるボブには全く自覚がない。
これは確かどこかで見た覚えが・・・
施設の仲間にこの花を送ってやろうと思って靴下の中にそれを入れる。
つまりこの青い花こそが物質Dの原料。
果たしてこれで物質Dの製造元として摘発できるのか・・・
ここで映画は終わり。
観てるだけでくらくらするし、頭がこんがらがってくる。
長い映画じゃないんだけど、中毒患者同士の怠惰で要領を得ない会話を聞いてるともう・・・(-_-;)
この映画は単館上映だったらしいけど、薬物中毒の恐さを世の中に知らしめる上でも価値がある映画だと思う。
万人にはお勧めできないけど、見た目も中身もここまでドラッギーな映画は観たことない。
大傑作です( ゚∀゚ノノ゙パチパチパチ
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