現金に体を張れのレビュー・感想・評価
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最後までハラハラ・ドキドキ。そしてオチが素晴らしい
スタンリーキューブリックの初期作であり出世作。
物語は「しがない中年の男達が数人で集まって競馬場の売り上げや金庫のお金をごっそり頂こうとする」というもの。
この映画が斬新だと思った部分は、競馬場のお金を強盗するのですが、一人ずつ彼が何をやったかと区切って視聴者に見せるところです。
普通の映画なら時系列に順番に進むのですが、この映画では「彼は4時にこれをやった。11時にこれをやった。そしてこうなった」みたいに見せたあと「次の彼は4時にこれをやった11時にこれをやった。そしてこうなった」みたいに一旦時間をさかのぼって見せます。
この手法はなかなか面白かったです。
そしてオチが素晴らしい。オチを見せる画面の構図も良かったです。
サスペンスの佳作
映画史上に残るラスト‼️
この作品が本当に「2001年宇宙の旅」や「時計じかけのオレンジ」を作ったキューブリック監督の作品かと目を疑うほど徹底したドキュメンタリータッチの犯罪映画の超傑作です‼️スターリング・ヘイドン扮するギャングが集めた男たちが競馬場の馬券売り場襲撃を計画する‼️印象に残っているのは、ギャングたち各個人の視点から計画実行寸前までを繰り返して描いている事‼️それぞれの役割をこなす男たちの姿をたびたび時間を逆行させて描いているのです‼️これはあまり他の映画では見られない手法ですよね‼️これにより目的を果たせず、挫折した男たちの人生の切なさが際立っていると思います‼️そして有名なラスト‼️札束が詰め込まれた古いトランクが壊れ、飛行場の風にあおられて札束が宙に舞う、そして2人の刑事が振り向く‼️しびれますね‼️
蟻の穴
邦題を考えた人が素晴らしい!!
1956年(アメリカ)監督・脚本:スターリー・キューブリック
邦題を考えた映画広告社の方、やりましたね。
1954年のフランス映画に「現金に手を出すな」があります。
きっとヒントはここにあったのかもしれません。
それにしても「現金強奪計画」
刑務所帰りの男ジョニーのダービーの売上金を狙う計画は綿密に練られている。
関係する人間がとても多い。
警官、バーテンダー、騒ぎを起こす酔っ払い、競馬場の窓口係り、射撃主・・・
兎にも角にも、計画は実行される。
予想外のことが2つも3つも・・・
窓口係りの妻シェリー。
(計画を愛人に告げ口する。)
計画はボロボロになるもののジョージは奪った金を持ち空港へ行く。
恋人のフェイと逃避行の筈だった。
そして映画史に残るラストシーン。
マリリン・モンローのスカートが風で巻き上がり、パンティが丸見えになるシーンと
双璧ではないでしょうか!
空港で呆然と立ち尽くす2人の美男美女。
ラブストーリーの主役のようです。
たった85分に過不足なくストーリーを伝える脚本の出来に、
さすがスタンリー・キューブリックの只者で無さを強く感じました。
【完璧な筈だった、競馬場売上金強盗計画が徐々に綻んでいく様を、時系列を絶妙に行き来しながら描いたノワール映画】
ー 前科者のジョニー・クレイが5年振りに刑務所から出所し、競馬場の金庫から200万ドルの強奪を画策する。入念に立てられた計画は5人の仲間と共に実行に移されるが、仲間のひとりであるジョージの妻・シェリーが計画を盗み聞きしていたことから、事態は思いも寄らない方向へ進んでいく。ー
・面白いのは、ジョニー・クレイが分け前の金で釣った、借金まみれの警官、競馬場のバーテンダー、窓口係の気弱なジョージ、射撃の特異なマイクの役割が、事前に観る側に明かされない事である。
・ジョージの妻シェリーの悪女っぷり。ジョージから計画を聞いたシェリーは彼女の愛人バルにその話をし・・。
- 壁に耳あり、障子に目あり・・。-
・ジョニー・クレイの計画に加担した、そしてそれを横取りしようとした愚かしき人々の顛末。
・計画実行時の、淡々と時を告げながら、各人の役割を述べるナレーションの見事さ。
<シニカル極まりないなラストシーンも見事な作品である。
キューブリックが、今作を弱冠28歳の時に制作した事にも驚く。
彼のハリウッドデビュー作品。>
1時間半ですっきり楽しめる強盗計画
どうせやるなら大きく狙うぜ。
大規模な強盗を計画するのは務所帰りの主人公を除くと普通のおじサン達。
スリルもサスペンスも人情も愛憎もスッキリと愉しめ、ギャング映画の原型とも完成形とも言える感じで、評価が高いのも納得。
おじサン達や彼女達の造型も、シンプルながら適度に奥行きがあっていい。ストーリーもほぼ時系列で分かりやすいし、エンディングも若々しくていいと思った(製作時のキューブリック監督は28才)。
キューブリックのノワール
とてもスリリング
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