「【”全編に漂う尋常でない緊迫感。”無人と思い侵入して来た隠し金庫の金を奪いに来た思惑がずれる3人の犯人達と、夫と別れたばかりの女と娘との駆け引きに魅入られるサスペンススリラー作品。】」パニック・ルーム NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”全編に漂う尋常でない緊迫感。”無人と思い侵入して来た隠し金庫の金を奪いに来た思惑がずれる3人の犯人達と、夫と別れたばかりの女と娘との駆け引きに魅入られるサスペンススリラー作品。】
■離婚したばかりのメグ(ジョディ・フォスター)は、娘・サラ(10代前半の無茶苦茶若いクリステン・スチュワート)を連れて、新しい引っ越し先の下見に出掛ける。
案内されたタウンハウスには、「パニック・ルーム」と呼ばれる緊急避難用の部屋が設置されていた。
引っ越しを済ませ、母子の新たな生活が始まったその晩の遅くに、事件は起こる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・押し入った犯人たち、
1.警備会社に勤め、唯一人間性を保つバーナム(フォレスト・ウィテカー)
2.メグが引っ越した大邸宅の主だった男の甥のジュニア(ジャレッド・レト)
3.バス運転手ながら、凶暴なラウール(ドワイト・ヨーカム)
の連携の取れない姿と、メグが、1型糖尿病を患う娘・サラを思い、危険を冒してパニック・ルームを出て携帯電話を取ってきたり、インスリンを取りに行く姿が産み出す緊迫感が凄い。
・メグとサラが、必死になって吸気口から、懐中電灯でモールス信号でSOSを発信するシーンや、犯人たちがパニックルームにガスを流し込んだ際に、メグが命懸けで行ったガスへの着火シーン。
ー そして、全てのガスが発火し、犯人たちのリーダー格ジュニアは腕に火傷を負い、”正式に遺産を受け継ぐ”と相続金額を告げた際のバーナムとラウールの表情。ジュニアは隠し金庫には300万ドルあると言われていたが、2200万ドルと分かる。
で、ジュニアはラウールに撃ち殺される。自業自得であろう。-
・サラが、低血糖に陥ったためにメグはインシュリンを取りに再びパニックルームを出るが、逆にバーナムとラウールはパニック・ルームに入り込む。
ー メグから”頼むから・・”と依頼され投げ込まれたインスリンをサラに打つバーナム。-
・そして、メグが必死に主回線を一瞬繋ぎ、元夫のスティーブンに連絡を取り彼が家を訪ねて来るも、彼は犯人たちに激しい暴行を受ける。
・更に、スティーブンが通報したために警官達が夜中4時に、邸宅を訪れるも犯人ともにパニックルームに居るサラを思い、警官達に何事もないと言って返すメグ。
ー 苦渋の決断であろう。-
<今作の見所は、4階建てのエレベーター付きの大きなタウンハウスの密室の中で行われる犯人たちと母娘との頭脳戦であろう。
確かに、デビッド・フィンチャー監督作品の中では平均的な作品ではあるだろうが、個人的には見応えがあると思った作品である。
更にはジョディ・フォスターは別格としても、今作で実質の映画デビューを果たした10代前半の無茶苦茶若いクリステン・スチュワートの姿も、必見であると思った作品である。>