パニック・ルームのレビュー・感想・評価
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昔と今
風に舞う債券
若い頃に見て、面白さがわからなかった映画がある。
評判は高い。監督も有名だ。俳優も豪華だ。だが、自分にはどうしても刺さらない。
そんな作品が、誰にでも一本くらいはあるのではないだろうか。
『パニック・ルーム』は、私にとってそんな映画の一つだった。
三人組の侵入者が豪邸に忍び込み、家に隠された大金を狙う。しかし予想外に家人が住んでおり、母娘はパニックルームへ逃げ込む。犯人たちは撤退するどころか、状況が悪化するたびにさらに深く踏み込んでいく。
初めて見たとき、私はそこにリアリティを感じられなかった。
人がいた。
見つかった。
逃げ込まれた。
警察まで来た。
なぜやめないのか。
なぜ撤退しないのか。
そう思ってしまった。
だが二十年以上経った今、再び見たとき、その違和感は別の形に変わっていた。
むしろ現実のほうが映画に近づいてしまったように見えたのだ。
近年の特殊詐欺や強盗事件の報道を見ると、人は合理的だから犯罪をやめるわけではないことがわかる。
途中で引き返せなくなる。
ここまでやったのだから続けるしかない。
失敗したら自分が終わる。
恐怖や欲望は、ときに理性を追い越してしまう。
『パニック・ルーム』の犯人たちも、金を追っているようでいて、実は金に追われている。
そう考えると、かつて不自然に見えた加速が、少しだけ現実味を帯びてくる。
映画は変わっていない。
変わったのは、私たちが生きる社会のほうだった。
この作品には、もう一つ印象的な人物がいる。
バーナムだ。
犯罪に加担しながらも、最後まで人を傷つけることをためらう男。
彼は善人ではない。
だが完全な悪人でもない。
その曖昧さが、この物語にわずかな人間味を残している。
ラスト近く、彼が逮捕される場面をメグは見送る。
あの視線を、私はかつてストックホルム症候群のようなものだと思った。
しかし今は少し違う。
あれは許しではなく、理解だったのかもしれない。
あなたは犯罪者だった。
しかし最後まで人間であろうともしていた。
その事実を私は見ていた。
そんな視線に見える。
人は善悪だけでは割り切れない。
だからこそ、人間を描いた物語は面白い。
そして最後に風に舞う無記名債券。
全員が傷つき、全員が何かを失い、その原因だった金だけが空へ飛んでいく。
あの光景には妙な虚しさがある。
欲望のために始まった物語なのに、最後に残るのは欲望の達成ではない。
費やした時間。
失われた信頼。
傷ついた人々。
そして、もう取り戻せない選択。
風に飛ばされるのは紙切れではなく、人間たちがそこへ注ぎ込んだ執着そのものなのだろう。
若い頃にはわからなかったラーメンの味が、ある日突然わかることがある。
ラーメンは変わらない。
変わったのは自分だ。
映画も同じなのかもしれない。
『パニック・ルーム』は傑作だと言い切れる作品ではない。
粗さもあるし、納得できない部分も残る。
それでも今回、三度目の鑑賞で少しだけ面白く見えた。
それは映画の評価が変わったというより、自分自身が別の景色を見られるようになったからだろう。
かつては犯人たちの愚かさが目についた。
今は、その愚かさの中にある人間らしさが見える。
そして気づく。
人は案外、失敗したからやめるのではない。
失敗したからこそ、最後までやり遂げようとしてしまうのだと。
その危うさを知ってしまった今だからこそ、この映画は昔より少しだけ現実的に見えるのである。
ハラハラドキドキの密室映画
最高のキャスト&監督やけど…
日本にもパニックルームってあるんやろうか?
きっと大豪邸に住む人しかないんやろうなあ。
浮気した元夫への当てつけで大豪邸に転居したメグとサラ。転居当日の夜、3人の強盗が侵入する…という単純なストーリー。
大学教授のメグがもう少し知恵を働かせて強盗を追い出すのかと思いきやそんなこともなく…これ、部屋の中にいたままでどうやって展開するん?と心配していたがなんやかんや部屋の外に出るタイミングもあったり、元夫が訪ねてきたりと…1人でのこのこやってくる元夫。なんでやねん。ただならぬ雰囲気感じたからきたんやろうし、警察と一緒にこなあかん!!
デヴィッドフィンチャー監督作品の中ではそんなに好きではないかな。ジョディフォスターも好きな女優さんやし期待値あげすぎたかもしれない。
どうしても「ホーム・アローン」が思い浮かぶが、映画としてはスリリングでおもしろい。
スリラーはデヴィット・フィンチャーお得意のジャンルだし、ジョディ・フォスターも出演しているし、ということで満足度の高い作品だった。
しかし、観ていてずっと「ホーム・アローン」(1990年)が頭から離れなかったのは致し方ないか。
夫と離婚したメグが娘と一緒に豪邸に住むことになる。
法律上あと数日は入居してはならないことになっていたが、不動産屋の手違いで住み始めてしまう。
もともとその家には富豪が住んでおり、遺族が侵入してくる。パニックルームに財宝が隠されているのを知っていたのだ。無人だと思って侵入したが、危険を察知したメグたちはパニックルームに逃げ込んでしまう。
侵入者たちとの攻防がはじまる。
2002年は「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」「ハリー・ポッターと秘密の部屋」「スパイダーマン」「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」といったブロックバスタームービーがヒットしていた時期。振り返ってみるとバラエティに富んでおり、映画の可能性がまだまだ広がっていた時代とも言える。
本作は、フィンチャーが1999年の「ファイト・クラブ」の次に撮った作品で、前作同様多様なカメラワークが駆使されている。
先端技術を活用するイメージのあるフィンチャーだが、本作ではヒッチコック風のサスペンスを目指している印象だ。
だからだろうか、クラシカルな豪邸が舞台で、時代性を感じさせるものはあまり出てこない。
製作費75億円で、興行収入300億円とそれなりにヒットしている。
しかしフィンチャーのフィルモグラフィーであまり名前が出てこない。
思うに、密室のサスペンスとしてはすぐれているが、登場人物がコマとして扱われている感じが否めないのも一因ではないだろうか。
ジョディ・フォスターの「羊たちの沈黙」では、彼女が演じたクラリスはバッファロー・ビル事件の解明というミッションがあったが、同時に彼女自身の暗い過去に立ち向かうという物語でもあった。
本作では侵入者と対決して勝つというミッションはあるのだが、それ以上のものがなかった。だから地味な印象で記憶に残らないのかもしれない。
ハラハラ…
離婚後の母と子の成長、絆の再構築、再出発 監督がテーマがあるとした...
みんなパニック
避難部屋を設置しよう‼️
夫と離婚し、娘と新居に引っ越してきたメグと、新居に侵入してきた3人の強盗との戦い・・・‼️デビッド・フィンチャー監督にしては珍しく正統派のサスペンス映画であり、限定空間を舞台にしたドラマとアクションがヒジョーに見応えあります‼️メグたちが逃げ込んだ "パニック・ルーム" へ強盗たちがガスを流し込み、メグが発火させようとするアクション・シーンや、娘が糖尿病を患っており、インスリンの注射をしなければならない設定や、元夫の訪問といったアクシデントもサスペンスの重要な布石になっていて面白いですね‼️そして壁や天井、床下など、新居内を縦横無尽に移動しまくるカメラワークもホントに神業で、フィンチャー監督の画面構成へのこだわりが感じられます‼️
潔すぎるガバガバ映画
金持ちどもの強欲さが現れてる。
離婚した元旦那に買わせた豪邸に、その豪邸を以前、持っていた老人の隠し財産をめぐって争いが起こる。豪邸らしく、「パニックルーム」などと言う部屋があり、そこに隠れるが、娘は持病があり、定期的に注射を打つ必要があるのがミソ。でないと、籠城しているほうが圧倒的に有利だから。
隠し財産目当てで侵入した3人は、連携が取れておらず諍いばかり。特にボスを自負する男は、計画性はほとんどなく、のこのこ、やってきた感じ。
黒人はパニックルームを作ったことがあり、「パニックルームには入れない。中から開けさせないと無理だ」と冷静な判断を下す。
色々あって、最後は、黒人が隠し財産の2000万ドルの銀行債を持って逃げようとしたが、機転を利かせて、待機していた警察に捕まり、銀行債は風によって吹き飛んで行った。まさに「悪銭、身に付かず」と言った感じ。
で、ラストシーンで、ジョディー・フォスターとその娘が次に住む物件をあれこれ検討しているが、個人的な意見では「こいつら、懲りてないな」と思った。だって、パニックルームがついてる物件を探してる様子が無いから。
何かの名作に似てるけど‼️❓なんだか違う感じ‼️❓
ひとつひとつが物足りないまま終わる
人によっては面白いと思えるはず。
一緒に見た友達は、絶賛はないまでも酷く貶すわけでもなかった。ただ私は合わなかった。
なぜか安く手に入った広い家で、不器用な親子が暮らし始めた初日に強盗が押し入る。
なぜか強盗は2人のはずが3人に増えていて、、、と意味のない謎が増えていくばかり。
ジョディフォスターが頑張っていなかったらレビューすら書かなかったであろうつまらなさだった。
親子愛を説くのはなぜか強盗側。もう1人は凶暴なだけで、マスク以外なんの魅力もない。
結局主人公は強盗なのかと思うくらい、ワクワクするのはキレ者の強盗のアイデアだけ。
それもこれも周りがバカなせいで失敗に終わる。
警官を呼んでからとりあえず先に来る夫がボコられるのも芸がないし、その呼ばれた警官も賢いけど遅い。遅すぎる。
銀行の債券が風に飛んでいくのも本当に面白くない。黒人の保釈金でも積んで欲しかった。クソ野郎でも親子の命の恩人なのにラストでは何も触れられず、ただ親子が新しい家を探している。は?
親子がトラブルを呼び込む悪魔的な存在なのかと疑ってしまうような、最悪の終わり方だった。
【”全編に漂う尋常でない緊迫感。”無人と思い侵入して来た隠し金庫の金を奪いに来た思惑がずれる3人の犯人達と、夫と別れたばかりの女と娘との駆け引きに魅入られるサスペンススリラー作品。】
■離婚したばかりのメグ(ジョディ・フォスター)は、娘・サラ(10代前半の無茶苦茶若いクリステン・スチュワート)を連れて、新しい引っ越し先の下見に出掛ける。
案内されたタウンハウスには、「パニック・ルーム」と呼ばれる緊急避難用の部屋が設置されていた。
引っ越しを済ませ、母子の新たな生活が始まったその晩の遅くに、事件は起こる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・押し入った犯人たち、
1.警備会社に勤め、唯一人間性を保つバーナム(フォレスト・ウィテカー)
2.メグが引っ越した大邸宅の主だった男の甥のジュニア(ジャレッド・レト)
3.バス運転手ながら、凶暴なラウール(ドワイト・ヨーカム)
の連携の取れない姿と、メグが、1型糖尿病を患う娘・サラを思い、危険を冒してパニック・ルームを出て携帯電話を取ってきたり、インスリンを取りに行く姿が産み出す緊迫感が凄い。
・メグとサラが、必死になって吸気口から、懐中電灯でモールス信号でSOSを発信するシーンや、犯人たちがパニックルームにガスを流し込んだ際に、メグが命懸けで行ったガスへの着火シーン。
ー そして、全てのガスが発火し、犯人たちのリーダー格ジュニアは腕に火傷を負い、”正式に遺産を受け継ぐ”と相続金額を告げた際のバーナムとラウールの表情。ジュニアは隠し金庫には300万ドルあると言われていたが、2200万ドルと分かる。
で、ジュニアはラウールに撃ち殺される。自業自得であろう。-
・サラが、低血糖に陥ったためにメグはインシュリンを取りに再びパニックルームを出るが、逆にバーナムとラウールはパニック・ルームに入り込む。
ー メグから”頼むから・・”と依頼され投げ込まれたインスリンをサラに打つバーナム。-
・そして、メグが必死に主回線を一瞬繋ぎ、元夫のスティーブンに連絡を取り彼が家を訪ねて来るも、彼は犯人たちに激しい暴行を受ける。
・更に、スティーブンが通報したために警官達が夜中4時に、邸宅を訪れるも犯人ともにパニックルームに居るサラを思い、警官達に何事もないと言って返すメグ。
ー 苦渋の決断であろう。-
<今作の見所は、4階建てのエレベーター付きの大きなタウンハウスの密室の中で行われる犯人たちと母娘との頭脳戦であろう。
確かに、デビッド・フィンチャー監督作品の中では平均的な作品ではあるだろうが、個人的には見応えがあると思った作品である。
更にはジョディ・フォスターは別格としても、今作で実質の映画デビューを果たした10代前半の無茶苦茶若いクリステン・スチュワートの姿も、必見であると思った作品である。>
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