劇場公開日 2002年2月2日

オーシャンズ11 : インタビュー

2002年1月18日更新

ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモンらの豪華顔合わせも話題の「オーシャンズ11」。その監督スティーブン・ソダーバーグに、彼を“心の師”と仰ぐ、当サイトでおなじみの小西未来氏が直撃インタビューが直撃インタビュー。今やアカデミー監督となったソダーバーグが、本作について本音を語ってくれた。なぜ、リメイクなのか? なぜ、「オーシャンズ11」なのか? そして、彼とジョージ・クルーニーとの間柄は? そんな疑問に応えるホットなインタビューをお送りしよう。“オスカー監督”の複雑な心境、次回作情報も要チェックだ!

これほど苦労したことはなかった

撮影がはじまってすぐ後悔したよ

小西未来

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――よく考えたら、あなたが純粋な娯楽映画を作ったのって、これがはじめてですよね。

「そうなんだ。これは観客が2時間を楽しく過ごすためだけに作られた映画だよ。映画館を出るころには、みんな映画のことなんてさっと忘れて『これから、なに食べる?』なんて会話を交わすような、ね(笑)」

――そもそもなんで「オーシャンズ11」のリメイクをやろうと思ったんですか?

「『オーシャンズ11』に惹かれたのは、昔ながらのビッグスターが出ている娯楽映画を作るチャンスだと思ったからなんだ。昔のスタジオシステムで作られた映画って、期待して観に行っても、必ずそれなりに楽しむことができたものじゃない? でも、過去20年間、ハリウッドではそういう映画が作られなくなってしまっていて。ぼくとしては、なんとなく、スターのために作られた映画が懐かしくなっていたんだよ。ぼく自身、そういう映画や大作映画もたくさん観て育ったわけだし。実は、いまでもぼくの一番のお気に入りの映画は『ジョーズ』なんだ。あれほどよく出来た娯楽映画はないよね」

――あなたが言うと、冗談か皮肉のように聞こえるんですけど(笑)

「冗談なんかじゃなくて、『ジョーズ』はほんとうに大好きなんだよ。あれほど緻密に作られている映画もないしね。「オーシャンズ11」をやってわかったんだけど、この手の映画をやるのってやたらと面倒なものなんだ。撮影前からきっと大変なんだろうなって想像はしていたんだけど、実際にやってみたら、踏まなくちゃいけない手順だらけで、いままでいろんな映画を作ってきたけど、これほど苦労したことはなかったよ。撮影がはじまってすぐ後悔したよ。どうしてこんな映画を引き受けちゃったんだろう、ってね(笑)」

――「オーシャンズ11」には、そうそうたるメンツが集まりましたが、これだけのビッグネーム集まったのは、ハリウッドであなたが絶大な人気を誇るからだと言われていますが。

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「そんなこともないよ。出演を断られた俳優もいるしね(笑)」

――そうなんですか?

「うん。だからぼくもたいしたことないんだよ(笑)」

――(笑)

「ただし、脚本を読んでくれた俳優は、みんな出演をオーケーしてくれたんだ。つまり、みんなが出演してくれたのは、脚本を気に入ってくれたからなんだよ。みんなとにかく『オーシャンズ11』という映画に参加したいと言ってくれて。そういうみんなの気持ちはスクリーンにも反映されていると思うよ。お金目当てじゃないってことが一目瞭然だから。こういうものって、ごまかそうと思ってごまかせるものじゃないからね」

インタビュー2 ~スティーブン・ソダーバーグ監督インタビュー(2)
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