ナイロビの蜂のレビュー・感想・評価
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愛するひとを大切にしたい
ドキュメンタリー調で、ざらつく感じが好き。
乾いた感じはなかったけど、意図的に色を絞っているようで、すこし時代を感じた。
ストーリーの企業と政治の巨悪に立ち向かうこと、アフリカの現状などとてもよかったし、観ていて飽きずに観れた。
とてもよかったのは、愛するひとを想う気持ちってやはり大切にしたいってこと。
あり得ない選択
主人公の妻が、夫を守りたい、と言った思いはどう主人公は受け取ったんだろう…。
主人公には生きる選択をして欲しかった。
原作の通りに映画化された結果なんだろうけど、あり得ない!と思いました。
アフリカってなんであんなに貧しいんでしょうか?
なにが原因なのか知りたくなりました。
製薬会社の闇を描くジョンルカレミステリー
ケニアが舞台。邦題は企業名スリービーからきている。
原題を直訳すると「彼はいつでも庭師」というところか。高等弁務官ながらガーデンニングばかりしている大人しいレイフファインズが主役。
妊婦姿で裸になるのはレイチェルワイズ。彼女が死んでから庭師が事件の真相を暴こうとするスパイの動きを始める。
アフリカ人を使った人体実験、人道支援の名のもとに行われる悪行はまさに武器商人のよう。巨額の利益が生まれる時、国をあげて利権をむさぼろうとする実態はフィクションとは思えない。
唐突に始まるファーストシーンも意味深ながらこれに繋がるラストシーンがなかなか。目の前の子どもを救おうとする妻と夫の行動の対比も。
2004年ぽい小さなサイズの動画が時代を感じさせる。
ビル・ナイやダニー・ヒューストン、ピート・ポスルスウェイトと渋い役者が効いてる。
正に大人の映画。
自らの身も心も犠牲にして組織の闇に立ち向かった主人公、そして夫の物語。
正にぶれる事のない正義感を持った主人公だなと。
現実、そんな心を持った人達は利益重視の組織社会に煙たがれるよな。重くとてもリアルな映画だと感じました。
タイトルだけで借りてしまったので少し、知識不足な自分が否めませんでした(笑)
本質を見失うな
個人的に好きでは無かったのでこの評価。
強大な権力、社会に立ち向かう勇敢な奥様。そのせいで命を落とし、夫は妻の不振な死に疑問を抱き、かつて妻が立ち向かっていた権力に自らも向かっていく・・・
最後、夫婦共に死んでしまうがそれと引き換えに悪事は暴かれる。
自分には全く関係のない国の、大勢の人は救われたかもしれないが、深く愛し合った夫婦の命は意図も容易く落とされるところに(自分の一番大事なものは守れずそれでいいのかな)とモヤモヤ。
劇中よく出てくる「この国の人たちの生き方や生活に干渉はできない」というセリフ、目の前の数人を助けてあげて自分の気持ちは満たされるかもしれないが
それはエゴでしかなく、国まるごとまで助けようとした夫婦は結局死んでしまっているのが気分わるい。
映画はとても良かったですよ。でも悲しすぎるので2.5。
アフリカに殺人事件などありません。
映画「ナイロビの蜂」(フェルナンド・メイレレス監督)から。
(10年ほど前の)アフリカで暮らす、
英国外務省一等書記官ジャスティンと妻テッサ。
彼らは、文明社会がアフリカ人をモルモットして、
新薬の研究をしていることを知り、大きな敵に立ち向かう。
物語の最後に、そんな悲惨なアフリカの状況と、
先進国の残酷さを伝えるメッセージが語られるシーンがある。
「アフリカに殺人事件などありません。
『痛ましい死』があるのみ。
そのような死を超え、文明社会は利益を得ます。
利益はたやすく得られます。
彼らの命は、あまりにも安いからです」
「世界中がアフリカを食い物に・・」というフレーズで、
胸が痛くなるのを感じた。
彼らの犠牲の上に、私たち先進国の人たちが生きていることを、
どれだけの人が意識しているだろうか。
これは想像の話ではなく、現実なのかもしれない。
外交官の夫が寝ている様子を、妻がビデオで映しながら、
こんなメッセージを添えている。
「(夫は)理想の世界を夢見て眠ってる。
彼の理想の世界とは・・雑草のない世界よ」と。
そして彼女は、ガーデニングを趣味と言いながら、
「雑草を抜かなくちゃ」と、大きな権力に戦いを挑み亡くなる。
この結末に、やるせない気持ちで観終わった。
まさか、エイズの治療薬も「アフリカ」で試してないよね。(汗)
ここにある一つの命
今後更に伸びる市場の一つの製薬会社が、国家ぐるみでアフリカの人々をモルモットにしているという物語。現実にありそうな恐ろしい話。いや、今やアフリカだけではなく、世界中で新薬の治験を内密に行なっているのかもしれない。
ラブストーリー仕立てになっていますが、作品の肝は、組織と個人の関係性にあると思いました。
組織に属するということは、考え方の根本が組織の理屈になります。外交官のジャスティンは物語の序盤、組織の理屈で物事を判断していました。例えば、テッサが提案した、1人の子供を遠い村まで車で送ることを断ります。1人の子供を助けても意味がないと。
しかし後半、組織から離れひとりの人間になった時に、「今ここにある一つの命」を救いたいと行動を起こします。ジャスティンはテッサの行動をこの時に初めて理解出来、そして「理屈」が変わったのです。青くさいかもしれませんが、1人の人間によって、1人の人間が変われたのです。
「アフリカには殺人事件はない、痛ましい死があるだけだ。」
一つの、いや多くの命を踏み台にしているからこそ、存続している組織。多国籍企業と先進諸国。個人の「理屈」が変われば、存続ができなくなるかもしれない、そう思いました。
骨太映画でした
ラブストーリーを軸にしてますが、しっかりした内容のある映画でした。ラストは悲しかった。別のサイトのレビューでこの映画に対してかなり辛らつに評しているコメントを見ましたが、この内容をストレートに映画にして誰が見ますか?アフリカの現実とアフリカの貧しい人たちを利用している大企業(製薬会社)の話を。ラブストーリーがらみにして多くの人に見てもらうことがこの映画を製作した人のねらいでしょう。それにしても「アンビクタス」もそうでしたが、アフリカの歌ってなんか心を揺さぶられます。
ドキュメンタリーのよう
見ていてかなりつらい場面があった。おそらくこれが現実なのだろうが、目の前にいる一人を救うことができないつらさを思った。
今の市場帝国主義ともいえる世界の状況を浮き彫りにした映画だと思う。
白人(製薬会社)のアフリカ搾取に対抗する女性とその夫の話。
イギリス映画で、原題は"The Constant Gardener"。原題ではヒトに焦点を、邦題「ナイロビの蜂」では社会に焦点をあてたタイトル。そのため情緒を優先させた内容になっていて、展開の説得性を犠牲にしている節がある。社会派と思って観るとツッコミどころが多く、観て後悔するかもしれない。これは切ないラブストーリー。とくにアフリカの雄大な映像や音楽は心揺さぶられる。
愛の力で無謀にも巨大組織に挑んでいく
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 70
薬の開発には巨額の資金と年月がかかる。だからそれに関する利権も相当に大きなものになる。アフリカで医療援助をしているように見せて、実はしっかりと新薬の実験をしているという裏にある陰謀というのも、比較的わかりやすくて良い設定だと思った。こういう問題もあるのだという社会に対する提起という意味で、良い作品の主題である。そしてそのようにして開発された薬を知らず知らずに使っているのは我々であろうことも、出来れば物語に含めて欲しかった。
そして企業や組織は利益のためにはとても怖い存在になりうるというのが面白い。個人の力では通常は勝てないという意味で、この映画は現実的である。たった一人で巨大組織に立ち向かって勝てるのは、ハリウッドの娯楽アクション映画だけであるし、これは娯楽アクション映画ではない。普通の外交官には、仕事だけでなく命すら失いかねないわけであって、国家権力と結びついた巨大企業はとてつもなく恐ろしい存在である。
しかしただ勝てないだけでは空しさが残るのだが、本来ならば不必要であろう壮大な大自然を二人の死に場所としてわざわざ背景にして、二人の愛の姿を持ち込んで結末にする。そして陰謀を明らかにして二人の死が無駄ではなかったとすることで、物語に救いをもたらしている。彼は途中で全てに目を閉じて調査を止めることも出来たのだが、結局亡き妻の姿に後ろを押されて敢えて危険に挑んだ。脅されても襲われても死ぬかもしれないと思っても止めなかった。陰謀と不正の暴露と社会への提起と愛の姿、そんなものがうまく詰め込まれてまとめられた映画でした。
一つ疑問が残る。薬の副作用で死者が出れば、いかにデータを誤魔化して薬の承認と発売に持ち込んだとしても、その後もやはり副作用で死者が出るだろう。そうなれば薬の発売中止や損害賠償などで、結局後々に莫大な損害が出ることになるだろうことは容易に想定できる。それならば何故そんなことをするのだろうか。とりあえず引くに引けなくて、エイズの薬害事件のときみたいに後のことは後で考えるということなんだろうか。
俳優陣の好演で大人の映画になっているのかな。
大好きな俳優、レイフ・ファインズとレイチェル・ワイズの共演ということで観なきゃダメでしょ、と思いつつリアルで観る
タイミングを逃しやっと観ました。
ストーリー展開は無理があるんですが、
サスペンスとラブロマンスがかなり混ざった社会派映画として
成り立っているようないないようないるような。
壮大なアフリカの自然をバックにした音楽がずるいんですよね(笑)
最後のどんでんがえし(黒幕の上司の悪行がばれる場面)には結構
無理があると思うのですが、主人公夫婦は救われたのかどうなのか。
事なかれ主義だった夫が妻の死をきっかけに激変して
勇敢な男になっていくところが面白いかも。
実際にこんな夫婦いてもやっぱり抹殺されちゃうんだろうな、
と余りにも一般論過ぎますが、世の不条理はそれなりに感じました。
あと、ピート・ポスルスウェイトが思いがけず出てたりして
ラッキー!って思いました。
なぜ、ハリウッド映画に豪華イギリス出身の俳優陣が?!
と思って調べたらこれ、イギリス映画だったんですね。
失礼しました。。。。
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