「青い箱の中で‼️」マルホランド・ドライブ 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
青い箱の中で‼️
この作品はいまだに私にとって「謎」ですね‼️デイヴィッド・リンチは大好きな映画監督だし、「ブルー・ベルベット」は大傑作だと思うし、今作も劇場鑑賞し、その後も何十回とDVDやブルーレイで鑑賞し、だいぶこの作品の全体像が掴めたのかもしれないし、いまだに何も分かってないのかもしれない⁉️物語は衝突事故で記憶を失った女リタと、その記憶を取り戻すのに力を貸すハリウッドの新人女優ベティの物語‼️もうこの役名からして往年のハリウッド女優、リタ・ヘイワースとベティ・デイヴィスへのオマージュだと思わされます‼️そんな二人の物語はある地点で超高速リワインドがかかり、それ以降まったく違う物語へとすり変わります‼️物語はA→B→Cとは進まず、ねじれ歪んだ展開を見せ、ハッキリとした結末も用意されない‼️例によってストーリーのあちこちに仕掛けられている謎のシンボルがこれまた多い‼️パープルスクリーンの前で、無数の男女が踊り狂うオープニング‼️HOLLYWOODというデカい文字が山の上に立ってる山道を進む一台の車、その街灯ひとつ無いクネクネした山道がハリウッドの光と闇を象徴してる‼️事故から生き延びたリタが見上げる「サンセット大通り」の標識‼️ベティがオーディションで演じるエロティックなラブシーン‼️今作でブレイクしたナオミ・ワッツの演技は素晴らしい‼️ファミレス「ウィンキーズ」とその裏に潜む怪物‼️カミーラ・ローズという女性‼️狂言回しのようなカウボーイ‼️リタの持つ青い鍵とブラックボックス‼️こんな様々なシンボルが見るものを混乱極まる悪夢へと誘ってくれます‼️しかも回収されない伏線が多すぎる‼️最初はリタとベティの女性同士の友情と愛情の物語かと思いきや、リタの記憶の鍵とも言うべきアパートの部屋で腐った女の死体を見つけてからは、もう一つの物語が新たにリスタート‼️それはレズビアンの恋人同士ダイアン・セルウィンとカミーラ・ローズの裏切りと愛憎の物語‼️リタとカミーラをローラ・エレナ・ハウリングが一人二役で、ベティとダイアンをナオミ・ワッツが一人二役で演じてるのも難解に拍車をかけるわけですが、そんな様々なシンボルや妙な配役、その悪夢のような世界観の中で、観客を混乱させてまでデイヴィッド・リンチが語っているのは人間の愛情だったり感情ですよね‼️思えばデイヴィッド・リンチ作品は、そのグロテスクで、エロティックで、エキセントリックな作風の中で、いつでも語ってるのは愛でした‼️そこに私はいつも感動するんです‼️結局、この「マルホランド・ドライブ」も落としどころはそういう事になると思うんですが、正解なのか不正解なのかは人それぞれでしょうね⁉️だからどんなに物語がねじれていて難解でも、何度も今作をリピートして確認したくなる‼️そんな不思議な魅力がある作品です‼️ちなみに今作にはカミーラの恋人である映画監督で、アダム・ケシャーというキャラクターが登場します‼️プロデューサーに無理難題を押しつけられたためにプロデューサーの愛車である高級車をゴルフクラブでめっためたに叩き壊したり、妻に頭の悪そうなマッチョマンと浮気された腹いせに無表情のまま妻の宝石ケースにピンクのペンキを流し込んだり‼️このアダム・ケシャーというキャラクターは、常に映画会社と闘ってきたデイヴィッド・リンチ監督そのもののような気がして痛快でした‼️
活動写真愛好家さん
美しい世界とおどろおどろしい世界。煌びやかなハリウッドの光と影をこれでもかと見せつけられますよね
一度観たら忘れることの出来ない、アクの強い作品ですよね。