「そんなハンバーグの焼き方」マイノリティ・リポート Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
そんなハンバーグの焼き方
結果を予知できれば人は判断を変えるのかというのがSF的な問いかけかと思うが、そういった命題よりも、単なる推理サスペンスエンターテイメントの要素強い。
それがスピルバーグの性なのか、エンタメ要素を必要以上に盛ってくる。冷蔵庫にわざわざ腐ったものを仕込ませたり、転がって汚水升の寸前でキャッチしたり、失笑せざるを得ない部分も散見。前年のAIもそうだったが味付けがどうもあざとく、濃すぎる。
ハンバーグの焼き方の例えがうまいなとおもい目が止まりました。
結果予知で人の行動は変わるのかの問いという考察は評論でも述べられていましたね。とても鋭いとおもいます。
ただ味付けの言及には疑問をもちます。犯罪を予知し眼球で個人を識別する未来社会で容疑者の追跡はどういったものか、逃走手段はどうしたらいいか、その描写はなくてはならないのではないでしょうか。追手を欺くため変装し時間経過の12時間をタイマーと未来社会の風景だけで流すのも悪くはないだろう。だがハイテク社会でも視界を遮るだけでこんなにも無力になるのだという真実を監督はスクリーンに描いたのではないだろうか。また本作で予知は主として映像にソースを得ていますが、視覚を喪失すると事前に得ている情報を活かせないことや別のシーンで窓の外に映る眼鏡の男のように視覚情報もまた揺らぎやすいのだと示していると感じます。十分でなく不確かな情報は恣意的に用いられると見分けがつかなかったり踊らされやすいことを象徴する割りと重要なシーンではないでしょうか。
目玉の転がるシーンも冗長に続けるのではなく、潜入がうまくいっている中でちょっとした緊張感を生むには調度良いアクションではないだろうか。犯人として追われる側と追いかける側が簡単に入れ替わることもあるという本作のストーリーもなぞらえたシーンだと感じた。
また失笑を嘲る意味で使っているようにうつったがその場合は冷笑や嘲笑になるだろうがどうだろうか。
もしKjさんが仰るようなコメントをなぞるなら弾けるラムネ菓子やグミを混ぜ込んだ生地に花火やステッカーを盛り意匠を凝らした立体プレートにこれでもかと飾り付けた近未来サラダがハンバーグの肉の旨味とは不釣り合いだとするのが良さそうだ。
コメントの添削をするかのようになってしまったが、他にもテーマやアンチテーゼと読み取れる細かな描写が時にシンボリック登場するので是非見直してみて欲しい。しょうにあわなければ好みのものに出会えるとよいですね。