マジェスティック : インタビュー
フランク・ダラボン監督 インタビュー
「ときどき僕は間違った時代に生まれてしまったんだと思う」
小西未来
スティーブン・キング原作だった過去2作と違い、「マジェスティック」は親友のマイケル・スローンが執筆したオリジナル脚本だ。
「はじめてこの脚本を読んだとき、まるで自分が書いたような気分がしたんだよ。なにしろ、マイケルとは15才ときからの親友だから、好みがほとんど同じなんだ。物語のなかにも、ぼくが好きな要素がぜんぶ入っていた。赤狩りとかブラックリストの時代が舞台で、映画愛がテーマで、しかも、ロマンスの要素がある。男が女に惚れて、それで人生が変わる――。そういうシンプルなストーリーを一度やってみたかったんだ」
感動作で知られるダラボン監督の作品は、アメリカの映画批評家からは「エモーショナルすぎる」と批判されがちだ。
「観客は心をオープンにして映画を楽しむのに、批評家連中にはそれができないし、そういう映画を作る監督を憎んでいるんだよ。きっと、ぼくは批評家よりも、観客のスタンスに近いんだろうね。特撮がやたらと使われてハートがない映画より、『グッド・ウィル・ハンティング』や『あの頃ペニー・レインと』や『素晴らしき哉、人生!』みたいに、心を揺さぶってくれる映画が好きだからね」
「マジェスティック」のなかに、映画館を再建するというエピソードがある。監督にも少年時代に通ったお気に入りの映画館があったという。
「子供のころサンフランシスコ空港の近くにあるミルブレイっていう街に住んでいて、そこの小さな映画館にしょっちゅう通ってたんだ。実は先週末、仕事でサンフランシスコに行く用事があったんで、その街まで車で行ってみたんだ」
ここに最大のヒントが隠されていた。「サンフランシスコに用事」とは、ルーカスに会いにスカイウォーカー・ランチに行っていたのだ。タイミング的にもルーカスが「インディ4」のストーリーを書き上げた時期と一致する。ほんと、自分の勘の悪さにはうんざりするほどだ。
こうなったらダラボン監督には「インディ4」のついでに、「エピソード3」も執筆して欲しいものだ。かつて「レイダース」を執筆したローレンス・カスダン監督(「白いドレスの女」「再会の時」)が、「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」という傑作を生み出してくれたように。
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