劇場公開日 2004年8月28日

LOVERS : 映画評論・批評

2004年8月17日更新

2004年8月28日より丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー

最高級レベルの妄想を華麗で鮮やかに具現化してくれる

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「HERO」の撮影中からすでに世に出ることは決っていた「LOVERS」。チャン・イーモウ監督を始め、製作・脚本・撮影・アクション監督などスタッフもほぼ同じ。出演は引き続きのチャン・ツィイー、新たに金城武とアンディ・ラウ。それぞれが裏の顔を悟られまいと直隠し、使命成就のために命を懸ける、ふたりの男とひとりの女の、情×憎×讐×恩=《愛》全開のアクション・ラブ大作。

「HERO」でも<碁>や<池での戦い>など、アクション場面今年のナンバーワンにしたくなるシーン満載だったが、「LOVERS」は更に盛りだくさん。「このシーンが撮りたかった!」という入魂が10球くらいある感じ。ことにチャン・ツィイーが鼓を打ちながら舞う<牡丹坊の戦い>や、「グリーン・デスティニー」を醸造させたような<竹林の戦い>の場面など、生身の肉体を提供する役者陣とワイヤーワークを掌るスタッフワークが最大限の力と根気を発揮して結集。まるでアクション技術の奇蹟を観るような昂揚感で、頭の中に思い描く最高級レベルの妄想を華麗で鮮やかに具現化してくれる。そんな昇天するような絵面に、三者三様の騙し合い的な愛がねっとりと絡み付く。撮りたかった絵・観せたかった画の中から埋蔵された愛を発掘したとき、監督が描きたかった愛の真実が見付かる。

大林千茱萸

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