「期待度◎観賞後の満足度◎ クリスマスが舞台なので華やかな雰囲気ではあるし、いかにもラブコメな題名ながら、英国映画界の(今や)名優達が紡ぐ地に足の着いた大人の恋愛群像劇。思わず微笑みを誘う。」ラブ・アクチュアリー もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
期待度◎観賞後の満足度◎ クリスマスが舞台なので華やかな雰囲気ではあるし、いかにもラブコメな題名ながら、英国映画界の(今や)名優達が紡ぐ地に足の着いた大人の恋愛群像劇。思わず微笑みを誘う。
①実は今回が初見。ヒュー・グランドもコリン・ファースもリーアム・ニーソンもまだ若くて(今に比べたらだけで当時でも立派な中年だけれども)、20年前の映画なんだよね。
当時大変話題になっていたのは知っていたけれど、私も43歳の働き盛りで(コリン・ファースと同い年なので彼も43歳でした)仕事がチョー忙しくて映画を観に行ってるどころではなかったので結局観ずじまいだった。
ただ、当時観ていたらどんな感想を持っただろうな。
②ラブコメは基本的にハッピーエンドで終わるものだし、本作での各恋愛模様もハッピーエンドで終わるものが多いが、ハッピーエンドにはならない恋愛も描かれているのが作品に幅と深みをもたらせている。
③アラン・リックマンとエマ・トンプソンの夫婦の間にできたしこりは恐らく長く続いていくだろう。
群像劇なので各々のキャラクターを深く掘り下げてじっくり描くのには向いてはいないが、エマ・トンプソンは流石に上手い。
ジョニ・ミッチェルの“Both Sides Now”の邦題は『青春の光と影』だけれども、実は「人生の光と影」の方が相応しいことが本作を観て初めてわかった。
ローラ・リニー演じるサラも、2年強想い続けた彼と両想いだったことが分かり付き合いの一歩手前まで行ったが彼女には唯一の肉親として面倒を見なければならない精神障害者の弟がいた(しょっちゅう彼女の携帯に電話が掛かってくる理由もここで分かる)。
クリスマスは弟と過ごすことにしたサラの姿は悲しくも愛おしい。 私も弟が精神障害者だから他人事とは思えなかった。
親友の彼女(奥さん)に恋してしまったマーク。もしやドロドロの三角関係に…と思いきやマークの自制心が清々しい。
こちらも私、経験済み。
だからではないが今でも独り者。マライア・キャリーの“All I want for Christmas is you”も良いが、私の場合、ユーミンの“ダイヤモンドダストが消えぬ間に”“Winds of Winter”、辛島美登里の“サイレント・イブ”かな。女性の曲ばっかりやん。だから、山下達郎の”クリスマス・イブ”加えとこ。
⑥クライマックスに大人達ではなく子供のサムの幼い故の一途な行動を持ってきたのも上手い。
でもそれだけでは薄いドラマになるかもしれないので、コリン・ファース演じるジェレミーの大人の一途な行動を平行して描くのも上手い。
映画的な誇張だとは思うけれどもオーレリアの家族や街の人達がゾロゾロと着いていくのはご愛敬。
『ブリジット・ジョーンズの日記』同様、コリン・ファースのコメディ演技も楽しい。
⑦落ちぶれたロックスター役のビル・ナイもかって人気スターだったことを思わせる色気を今もそれとなく感じさせる好演。
追記:英国だからビートルズの“All you need is Love ”が使われたことに驚きはなかったが、ベイ・シティ・ローラーズの“Bye Bye Baby”が出てきた時にはビックリした。ファンではなかったが、14歳の時に初めて触れた洋楽の曲の一つなので思い出深い曲。でも英国でもベイ・シティ・ローラーズなんてすっかり忘れているだろうと思ってた…