「空港には愛が溢れている。」ラブ・アクチュアリー 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
空港には愛が溢れている。
冒頭にこのナレーションが入り、言われてみれば確かにそうだなと感じた。
イギリスを舞台に、様々な人々が愛に正直になり、奔走する映画。
冒頭のナレーションが、ラストの締めの一言でも何ら違和感のないものになっており、結局それは伏線となって最後のシーンへと繋がっていく。
愛には本当に様々な形があり、身分や性別、禁じられた恋や、叶わない恋、それらが同じ時系列で色々な場所で始まっており、最初は時間軸が違うのかな?とも思ったが、後半それぞれのストーリーが繋がっていく気持ち良さと共に、心の温まる構成となっていた。
特に好きなストーリーは、
①キーラ・ナイトレイ演じる新婚ホヤホヤの女性をひたむきに愛し続けている男性のストーリーと、
②母親を無くした少年が、義父と共に学校の好きな子と付き合うために奔走するストーリーかな。
①の男性の告白シーンは、かなり胸を打たれた。
自分だったら、さすがに親友から奪うことは出来ないし、きっと何を言っても無理だと諦めるだろうが、彼のロマンチックな告白と、言いたい事を言って去る際に、女性からキスをされ、“Enough”と一言言うカッコ良さ。
まさに痺れたし、自分もこういうカッコイイ人になれたらなと思った。
②の少年の、好きな子に振り向いてもらうにはバンドや!という、何とも子供らしい考えで、発表会であんなに上手にドラムを叩いてしまうという純粋さとひたむきな努力に天晴れ。
最後空港で女の子になんて言ったのか、凄く気になる所だが、どんなに不格好な一言でも、彼のひたむきな努力と、空港の搭乗口まで追いかける勇気と熱さに、きっと魅了されたのだろうと思った。
最後に、空港ってなんて素敵な場所なんだろうなと、改めて気付かされた。
冒頭に言われた時には確かになぁと思った程度だったが、ラストのシーンでとてもそう感じた。
空港には、勿論別れの悲しみもあるだろうが、大切な人と再開の喜びを分かち合う場所でもあるのだなと、何だか無性に空港に行きたくなった。
かなり有名な俳優陣が出ており、見た事のある人達ばかりだった。
勿論スターの演技はどれも良く、特にビル・ナイ演じるビリーマックのキャラクターが物凄く好きで、あの適当な感じと、だけど真剣に一人の男性を想う純粋さを演じ分けれていてとても良かったと感じた。
クリスマスの時期にぴったりな映画だと思ったので、またこの時期に見てみたい。