ランド・オブ・ザ・デッド 特集: ジョージ・A・ロメロと愉快な傑作ゾンビ映画たち

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ランド・オブ・ザ・デッド

劇場公開日 2005年8月27日
2005年8月31日更新

ジョージ・A・ロメロ監督といえば、ゾンビ映画の本家本元。「28日後...」や「バイオハザード」「ドーン・オブ・ザ・デッド」など、近年続いたゾンビ映画は、ルーツを辿ればどれもロメロ監督の影響下にあると断言できる。そんなロメロ監督が満を持してゾンビ映画「ランド・オブ・ザ・デッド」をひっさげ、スクリーンにカムバック。そこで、本特集ではロメロ監督が描いた過去のゾンビ映画3作品と、ロメロ監督以外の傑作ゾンビ映画たちを紹介してみることにしよう。

ジョージ・A・ロメロと愉快な傑作ゾンビ映画たち

文・構成:編集部

40年近い歴史を誇るロメロ・ゾンビ 40年近い歴史を誇るロメロ・ゾンビ

世界初のゾンビ映画「ホワイト・ゾンビ」が登場したのが今から73年前。その頃のゾンビ映画は、ハイチを舞台にしたものや、ブードゥー教をからめた土着文化的ものがほとんどであった。その後、宇宙人が死者を蘇らせるという“SF+ゾンビ”の組み合わせが斬新な「プラン9・フロム・アウタースペース」の登場をきっかけに、奇抜なアイデアのゾンビ映画が多数作られた。

63年、H・G・ルイスが「血の祝祭日」を発表して以来、ゾンビ映画にもスプラッターの波が押し寄せる。そして68年、“カニバリズムと伝染性”という、現代にも脈々と使われるゾンビ解釈を与えた傑作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」がジョージ・A・ロメロによって製作されたのだ。

それから約10年後、ロメロ監督は続編「ゾンビ」の製作を発表。「ナイト・オブ~」を観て、ロメロを高く評価していたイタリアホラーの帝王、ダリオ・アルジェントが資金提供を買って出る(ちなみに、「ランド・オブ・ザ・デッド」にはダリオの娘、アーシアが出演しているあたり、ロメロの粋な計らいといえるだろう)。マスターテープをロメロ、アルジェント双方が編集し、それぞれのバージョンが世界中で上映され、大ヒットを記録。日本に関して言えば、配給の日本ヘラルドが映画「メテオ」(あるいは「スペースレイダース/21世紀のバックロジャース」)の隕石爆破のフッテージをアルジェント版に無理矢理挿入したバージョンで上映したのは有名な話だ。

60年代、70年代とゾンビ映画を作ってきたロメロは、80年代に入り、ソンビ3部作の最終作となる「死霊のえじき」の製作に取り掛かる。当初はゾンビと人類の大規模な戦争映画になる予定だったが、資金不足により脚本は大幅に削られ、スケールダウン。地下の核シェルターを舞台としたこじんまりとした内容になってしまった。(この「死霊のえじき」は“階層化された空間”と“進化したゾンビ”が登場するという点で最新作「ランド・オブ・ザ・デッド」に通じるものがある)。最終作にふさわしく、ゴア・シーンもお祭り状態。内臓はみだし、スコップによるゾンビ首チョンパはもちろん、生きたまま手足がちぎられる痛いシーンも満載で、さすがは特殊メイクの神様、トム・サビーニといったことろか。

黒人の公民権運動、ベトナム戦争、米ソの冷戦……当時の世相を色濃く反映してきたロメロのゾンビ映画。20年ぶりの新作となる「ランド・オブ・ザ・デッド」では、9・11テロ事件に対するアンチテーゼを示した。人間に争いの種がある限り、ロメロのゾンビ映画はこれからも作られ、ファンを楽しませてくれることだろう。

■ロメロ以外の傑作ゾンビ映画たち

ロメロゾンビ以降、雨後の竹の子のように粗製濫造されたゾンビ映画。ほとんどが見る価値も無い駄作ばかりだが、その中には「傑作」と呼ばれる作品も存在する。その一端を紹介しよう。

■「サンゲリア」(79) ルチオ・フルチ監督

製作時期からロメロ監督「ゾンビ」のパクリと思われがちだが、こちらはブードゥー教をベースにしているという点から、むしろ古典ゾンビの後継作ということになるだろう。ウジの湧いた腐乱死体、眼球串刺し……マニアックなところではサメとゾンビの対決なんてのもある。イタリア映画らしく、過剰なまでの血糊の量と残酷表現は他の追従を許さない。ルチオ・フルチ監督の作品に理解は無用。次々に現れるショッキングでファンタジックな映像に身をゆだねていればいいのだ。

■「エルゾンビ/落武者のえじき」(71) アマンド・デ・オッソリオ監督

60年代のスペインホラーを代表する監督といえば、「ワルプルギスの夜 ウルフ対ヴァンパイア」でウルフを演じたポール・ナッシーと、「エルゾンビ」を初めとする"ブラインド・デッド"シリーズを作り上げたアマンド・デ・オッソリオの2人だろう。本作品の目玉は文字通り、眼球をくり抜かれたテンプル騎士団の亡霊たちが夜な夜な現れ、物音を頼りに犠牲者をバッタバッタと切り捨てるというプロットだ。馬に乗ったテンプル騎士団がスローモーションで駆け抜けるシーンは幻想的かつ芸術的である。

■「殺戮謝肉祭」(78) ジャン・ローラン監督

フランス人監督らしく、汚染されたワインを飲んだことから住民達が次々にゾンビ化し、襲い掛かるという展開が面白い。ローランの作品に一貫しているのは女性の裸と悲劇的な愛。ぶった切られた盲目少女の首に男が接吻するシーンなどは、独特のメロウな雰囲気と相俟って、非常に印象的だ。

■「デモンズ95」(94) ミケーレ・ソアビ監督

ヒットマンガ「デラモルテ・デラモラ」の映画化。邦題では「デモンズ」と名前が付けられているが、同名シリーズとは一切関係が無いのでご注意。「サスペリア」のダリオ・アルジェントの後継者と言われたミケーレ・ソアビの最高傑作で、退廃的な美しさと哲学チックな内容は批評家からも高く評価されている。本作以降、障害を持つ子供の養育に専念するため、映画の第一線から身を引いたミケーレ。そんな彼だが来年は新作がリリースされるという話もあり、要注目だ。

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