キング・アーサー(2004) : インタビュー
アーサー王伝説をその元となった史実を想定してリアルな歴史スペクタクルとして描く「キング・アーサー」。監督アントワン・フークワにとって、本作は彼のバージョンの「七人の侍」だった?!(聞き手:編集部)
アントワン・フークワ監督インタビュー
「これは僕の『七人の侍』なんだ」
チョウ・ユンファの「リプレイスメント・キラー」、デンゼル・ワシントンの「トレーニング・デイ」、ブルース・ウィリスの「ティアーズ・オブ・ザ・サン」と話題作が続くアントワン・フークワ監督。製作者ジェリー・ブラッカイマーから本作の監督をオファーされたとき、彼が出した条件は「ビックスターを出演させないこと」だったという。
「みんなが知ってるスターが主演したら、アーサー王の映画じゃなくて、そのスターの新作映画になっちゃうからね。世界中に優れた俳優はいっぱいいる。そういう俳優たちに出演してもらいたいと思ったんだ」
この要望は通り、ハリウッドのビッグスターは出演していない。イギリスやドイツ、デンマーク、スウェーデンの人気俳優が出演しているのは、この物語はヨーロッパの俳優が演じるべきだという判断からだろうか?
「いいや、そんなことはないよ。僕はアジアンやブラックの兵士も登場させようと思った。歴史的にはありうるんだよ、ローマ帝国は西アジアにも進出していたからね。でも、このアイデアは却下されちゃったんだ(笑)」
だが、監督を引き受けたのは、これが大群衆の戦闘アクションと人間ドラマの双方を描くことができる物語だからだけではない。
「それもあるけど、僕は昔からずっと『七人の侍』や『ワイルドバンチ』が大好きで、僕もああいう映画を撮りたいと思って監督になったんだ。今回は、この物語なら僕バージョンの『七人の侍』が撮れると思ったんだよ。そういう映画を撮ったつもりだ」
ちなみに今年は、叙事詩アクション大作が大流行。ライバル作「トロイ」「アレキサンダー」と本作の違うところは何だろう?
「リアリズムだね。『アレキサンダー』はまだ見てないから分からないし、僕はオリバー・ストーン監督の作品は好きだし、リアリズムを重視した演出になっているかもしれないけど、『トロイ』よりはリアルだよ。あの映画みたいに人間が空中に飛び上がったりするような派手さはないけど、この映画の戦闘シーンは、これまでの映画の中でもかなりリアルだと思う。CGIもほとんど使ってないしね」