ハリー・ポッターと秘密の部屋 : 映画評論・批評
2002年11月15日更新
2002年11月23日より丸の内ピカデリー1ほか松竹・東急系にてロードショー
「賢者の石」で衝撃だったのは、ハリー・ポッター役のラドクリフくんがヘボだったことだ。確かにルックスはハリー度100パーセントだが、演技になるとド素人。3人のなかでは存在感ももっとも薄かった。
さすがに2作目「秘密の部屋」では少しはサマになってきたが、それでもやはり存在感は薄い。というのも今回、彼を脅かすような凄い新キャラが登場したからだ。屋敷しもべ妖精のドビーである。
何せドビーは凄い。彼が動くだけで笑いがこみあげ、登場するだけでときめいてしまうほど(?)だったりする。それは、演技力も存在感も印象も魅力もドビーのほうがダンゼン上だから。声も表情も仕草も自然かつリアルだからだ。ストーリーを追うこと、原作通りであることに腐心するこのシリーズにおいて、それを上回り、映画的だからこそのパワーを発揮できた唯一の存在と言っていいのかもしれない。
ヨーダが「エピソード2」を<理力>で救ったように、このドビーも<魔法>で「秘密の部屋」を救ったと言えそう。やっぱり今年の主演男優賞はヨーダ、助演男優賞はドビーで決まりでしょう、個人的には。
(渡辺麻紀)