ハリー・ポッターと賢者の石 : 特集
11・4ロンドン・プレミアをレポート!
主要キャストにも直撃取材に成功!記者会見に主演3人が登場!
レポート:森山京子
プレミア・ナイトの翌日は、ロンドン市内から車で1時間半ほど北へ走ったハートフォードシャーにあるニブワース・ハウスへ。ここで監督と出演者の、記者会見とインタビューが行われるのだ。このニブワースは、緑の丘陵の中に、15世紀に建てられた石造りのお城と木造の教会がある、まさに貴族の館。イギリスの、そして、「ホグワーツ魔法魔術学校」の雰囲気を味わってもらおうという狙いもあるようだ。
記者会見に出席したのは、クリス・コロンバス監督、プロデューサーのデイビッド・ヘイマン、主役の3人、ハリーのダニエル・ラドクリフ、ロンのルパート・グリント、ハーマイオニーのエマ・ワトソンに、ダンブルドア校長のリチャード・ハリス、ハグリッド役のロビー・コルトレーンの7人。まず子役たちのコメントを紹介しよう。ダニエルは、「子供がヒーローになれたことは最高にクール。僕はこの物語は友情がポイントだと思う。だから、僕達3人がどう友情を育てていくかを見てほしいんだ。難しかったのは、鏡で両親の姿を見るところ。初めて両親に会って、期待感や好奇心、哀しみなど、あらゆる感情を表現しなくちゃいけなかったから」と、優等生のお答え。
それに比べてルパートは映画の中のロンと違って、とてもハニカミ屋。何か聞かれる度に「あーん、えーと、」と考え込んでしまって言葉がなかなか出てこない。そこがなんとも言えず可愛くて、日本の取材陣から「イギリスのQちゃん(高橋尚子)」というニックネームを進呈した。本当に似ている!
映画の中と同じで、おしゃまで可愛かったのがエマ。「この映画に出たら、子役は子供にとってロクなことない、50歳になったらバーガー・ショップでウエイトレスになってる、なんて言う人がいるのよ。でも、そんな先のことは分らないもーん。私は、女優だけじゃなくて、いろんなことをやりたいの」だって。
コロンバス監督の発言で「?」と思ったのは、「原作を超える映画を作る気なんか、最初からなかった」と言ったこと。「読者のコンパニオンになれるような映画を目指した」と言うのだが、自分がいかにこの本に心酔しているかを強調したかったようだ。
「この映画を監督したいとオブセッションのように思いこんでいたから、世界的なベストセラーに挑戦するというプレッシャーなんて、気づく暇もなかった。原作者のJ・K・ローリングが全面的に協力してくれて、各シーンの具体的なイメージからキャスティングに至るまで、徹底的に話しあった。いわば、作者の頭の中を覗いて見たようなもので、映画を作る上でこんな幸運はない」確かに、今度の映画は、誰が見ても原作に忠実と感じる仕上がり。そうできたことに満足していると言うコロンバスだ。