グッドモーニング・バビロン!

劇場公開日:

解説

イタリアのロマネスク建築修復家兄弟が家業の資金稼ぎのためにアメリカに渡った。誕生期のハリウッドでグリフィス監督「イントレランス」の栄華の都バビロンのセットに参加することになったふたりは、映画の虜になり、女優を妻に娶る。しかし時は第一次大戦下、ふたりの青春の日々が終わろうとしていた……。シャンテ シネ1のオープニングを飾ったタビアーニ兄弟の傑作。

1987年製作/118分/イタリア・フランス・アメリカ合作
原題:Good Morning Babylon
配給:フランス映画社
劇場公開日:1987年10月9日

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映画レビュー

4.0ハリウッド映画黎明期の光を照射するイタリア映画監督タヴィアーニ兄弟の映画愛と家族愛

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ハリウッド映画の黎明期を舞台にして、パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督の映画愛と映画への熱い情熱が込められた作品。そこには、イタリア映画の良質な家族愛をファーストシーンからラストシーンまで弛まず描き抜くエネルギーと、イタリア文化を誇りに思う愛国心が、暗闇に輝くスクリーンの光となって観客を照らしてくる。映画が光の芸術であることを改めて認識させてくれる、優しく心地良い光の温もり。ラストの第一次世界大戦の寓話のようなシチュエーションの作られた物語性を唯一の弱点としても、描かれたイタリア人の家族愛の美しさがそのままタヴィアーニ兄弟監督の映画愛で結ばれた絆を窺わせて特別な感慨を呼ぶ。このような神話的物語でハリウッドが映画産業により時代の最先端に突き進む栄華で見せることは、今の映画文化への救済であり、時代を超えた映画讃歌であり、ひとかけらのノスタルジーであり、確かなロマンティシズムであろう。主人公が乗った車から捉えられたグリフィスの撮影風景をスタンダードサイズでフレーミングしたカットに、それが象徴的に表現されていた。音楽、撮影、殆どを無名俳優でキャスティングされた出演者、全てが映画愛で柔らかく包まれている。
  1988年 1月12日  日比谷シャンテ・シネ1

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Gustav

4.0溢れんばかりの映画愛

2012年6月14日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

草創期のハリウッドを舞台に独特のテンポで物語が綴られるタヴィアーニ兄弟の「グッドモーニング・バビロン!」には映画愛が溢れている。
グリフィスや「イントレランス」の舞台裏が登場するストーリーには、まず、いち映画ファンとして興奮してしまう。

発明から今日まで凄まじいスピードで進化を続けて来た映画。
そして、今でもその中心地で在り続けるハリウッドを舞台に彼らは映画について語る。
映画とは最たる娯楽であり、芸術の結晶であり、そして何より、人間の夢と希望である。そうと言わんばかりにありありと映し出されるストーリーはハリウッド映画のよう鮮やかだ。
しかし、同時に彼らはイタリア人のアイデンティティーを共存させる。どんなことがあっても繋がっている兄弟はその特徴的なメタファーであり、この"イタリア映画"の個性である。

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keita
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