「魂を奪われても髪の毛は奪われなかったニコラス・ケイジ。何度燃えても生えてくるんだぜ・・・」ゴーストライダー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
魂を奪われても髪の毛は奪われなかったニコラス・ケイジ。何度燃えても生えてくるんだぜ・・・
またしてもマーヴェル・コミックの実写化映画。しかもダークな系統のヒーローものなのです。バイクスタントで人気があったブレイズ親子。父が肺がんになったことを知ったとき、息子ジョニーは悪魔メフィストに魂を売ってしまったという過去のドラマから始まります。父親の肺がんの原因はタバコによるものだと思われるのですが、吸っていたタバコはマルボロ。その後に登場するケアテイカー(サム・エリオット)が『サンキュー・スモーキング』では初代マルボロ・マンを演じていたところも興味深いところですが、150年前には同じように大金を見せつけられたのかどうか気になるところでもあります。
成長したジョニー(ニコラス・ケイジ)はなぜか“ジェリービーンズ”と“猿”と“カーペンターズ”がお好き。「ちょっと待て、猿の映像に戻せ」とか「カレンの歌声が・・・」などという台詞には笑ってしまいそうになりました。カーペンターズはともかく、なぜ猿が好きなのかは理解に苦しむところでしたが、ゴーストライダーに変身した後、屋上でヘリコプターと戦うシーンが『キングコング』のそれと重なり、警官隊に発砲されたときには確信しました。そう、ブレイズ親子はキングコングが大好きだったのです。そう考えると、バイクスタント・ショーだってキングコングが見世物にされていたことと被るのです。もし、エヴァ・メンデスがナオミ・ワッツだったら大爆笑だったはずです・・・
原作もなにも知らずに観ていたのですが、これほど西部劇の雰囲気になっているとは思いませんでした。血の色を感じてしまうような空の映像からすると、マカロニ・ウエスタン風でもあったけど、音楽といいサム・エリオットの雰囲気といい西部劇にはピッタリです。しかも、ゴーストライダーの乗るチョッパー・バイクは『イージーライダー』をオマージュしたものなのか、わざわざピーター・フォンダを登場させているところが憎いです。
ストーリーとしてはそれほどでもないけど、色んな遊び心を感じ取れると楽しくなります。一番凄かったシーンはビルを直滑降するところでした。