ファンタスティック・フォー 超能力ユニット : 特集
バンクーバー・セットビジットレポート その2――記者会見編
レポート:荻原順子
セット見学の後は主要出演陣5人と監督との記者会見式インタビューが行われ、それぞれの役に対する思いと、このような大作にキャスティングされた感想を語っていた。
ヨアン・グリフィズ(Mr.ファンタスティック/リード・リチャーズ)
「僕が演じているリードは完璧主義者なんだ。その彼が計算違いをやらかしてスーパー・ヒーロー達を生み出すことになったというのは興味深いことだと思う。英国人俳優の僕にとって製作規模の大きいハリウッド大作に出るのはワクワクするようなことだと同時に、大変なことでもある。特に、僕の演技が特殊効果の助けを借りて初めて完成するというのは、不思議な感じがするね」
ジェシカ・アルバ(インビジブル・ウーマン/スー・ストーム)
「スーは、とても頭が良いんだけど、男性社会に生きているので彼らの倍も頑張らないと対等になれなくて不満に思っていたりするの。でも、スーは母性がとても豊かな面もあって、それは私自身の性格にすごく似ているから、キャスティングされた時にはとても嬉しかったわ。これまでの役は、キツイ意地悪女か、逆に愛に溺れる女性みたいな、型にはまったような役ばかりだったから」
マイケル・チクリス(ザ・シング/ベン・グリム)
「ベンは、見かけはタフだけど心は優しくて、自分の幸せを犠牲にしてもヒーローになろうとする侠気のある人間だ。僕は、プロデューサーのアヴィ(・アラッド)から“ベン・グリムを演じられるのは君しか居ない”と直々に指名されたんだけど、TV番組「ザ・シールド」の仕事があるから無理だと思っていた。でも、TVの方がスケジュールを調整してくれて、この映画に出演できるようになった時は嬉しかったよ」
クリス・エバンス(ヒューマン・トーチ/ジョニー・ストーム)
「ジョニーは短気な性格をしていて、女たらしで刺激の多い人生を好んでいるようなヤツだから、炎に包まれて飛ぶなんて彼にとってはサイコーな気分なんだ。僕にとってこんな大作は初めての経験だから学ぶ所も多いけれど、男の子だったら誰でも、タオルをマント代わりにしてスーパー・ヒーロー気分でソファから飛び降りた経験を持つものだから、男優冥利に尽きる役だよ」
ジュリアン・マクマホン(Dr.ドゥーム/ビクター・バン・ドゥーム)
「僕はソファなんかじゃなくて2階から飛び降りちゃったよ(一同・笑)。この作品はコミックの映画化だから、ちょっと大げさに演技することもあるよ。あまりやり過ぎるとバカみたいに見えちゃうけどね。Dr.ドゥームは悪役だけれど、最初は人間としてスタートしてモンスターのようになっていく過程が観られるのが面白いと思う」
そして、「バーバーショップ」「TAXI NY」と、コメディを得意としてきたティム・ストーリー監督は、以下のように語った。
「『ファンタスティック・フォー』はスーパー・ヒーロー集団であると同時に、機能不全家族のような集団でもあるんだ。だから、特殊効果やアクション・シーンはそれぞれのエキスパートに任せておいて、僕は人間ドラマの部分に主眼を置いているつもりだ。だから、前2作と今回の作品とのアプローチにさほど違いはないんだよ」