紅の豚のレビュー・感想・評価
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良し悪しは兎も角、CGを合成している事は歴然。 ポリティカルな面で...
良し悪しは兎も角、CGを合成している事は歴然。
ポリティカルな面でこの映画を評する訳にはいかない。曲がりなりにも、ファンタジーである。絶対に実写でやってもらいたくない作品だ。
放埒の日々よ
なんて言いながら、頬へのキスで固まったりジーナが待っていると聞いただけで真っ赤になったり、お金の扱いは大胆だとしても女性に対してはとても奔放に見えない。イタリアが舞台だけどポルコのそういう面に日本人っぽさを感じて安心し、素直に見られる。
豚になった理由は映画の中で明かされないが、自分で自分に呪いをかけたと以前どこかで説明されたらしい。気ままに生きているように見せているだけで、昔の仲間がみんな死んだのに一人生きている自分が許せず人間から切り離してしまったのかもと思った。誰かと深い関わりを持たないようにふらふら飛び回り、孤島に住んで、むしろ自分を縛っているようにも見える。
ジーナに対してもそういう理由で近づかないのでは…また、大事な仲間の大事な人という思いもあって気安く手を出せないんじゃないかな。
豚になった理由が、この映画の一番の見どころになるのかと思っていたので何も説明されないことに驚いた。
ジーナとの後の関係もあえて語られず、視聴者が色々と自由に想像できるようになっている。
主人公の飄々とした感じと通じていて、何だかいいなと思った。
飛行艇パイロットの豚の物語
初めての鑑賞
ジブリ作品はよく見ないと理解できないと思う
良い映画と思うが、自分にはイマイチよくわからなかった
(完璧に理解しようと肩に力を入れすぎる自分が悪いのかもしれない)
不思議な魔法で豚の姿になった飛空艇パイロット
賞金稼ぎを生業にしていた
対立する空賊が雇ったパイロットの攻撃を受けて
撃墜されてしまう
愛機の修理に訪れた修理工場で職人の孫娘と出会う
フィオの修理で復活した愛機とフィオと行動を共にする物語
なぜ豚になったのか
ラストは人間の顔に戻ったのか
みなさんのレビューを見てもとくに気にしていないようなので
追及する必要ない部分なのだろう
ちなみに、ネタバレサイトを見たら、管理人によって解釈が違っていた
カッコいいとは、こういうことさ。 かつての「熱風」をもう一度!
舞台は世界恐慌真っ只中のイタリア。かつては英雄と呼ばれ、今は賞金稼ぎとして活躍している飛行艇乗りのポルコ・ロッソと、アメリカから名声を求めてやって来た若き水上機乗りドナルド・カーティスの名誉をかけた戦いを描く航空ロマン映画。
監督/原作/脚本は『となりのトトロ』『魔女の宅急便』の、生きるレジェンド宮崎駿。
子供の頃から何度となく観ている作品。
やっぱりジブリではこの作品が一番好きかも💕
一般受けする作品はほかに沢山あるし、本作の人気が比較的低いというのもよくわかる。
でも、「アニメ」ってこんなに面白いものなんだ!と気付かせてくれたこの作品よりも好きなアニメ映画は多分存在しない。
物事の考え方とか価値観とかを、この作品によって植え付けられた気がする🙄
1930年代初頭のイタリア。それは第一次世界大戦の傷跡が未だ深く残っており、戦勝国でありながら失業や不況に苦しんでいた🌫
戦後頭角を現したムッソリーニが政権を掌握し、ファシズムの動きが加速。暗い時代の到来がすぐそこまで迫っていた。
戦争で活躍していた飛行機乗りたちも職にあぶれ、空賊に身を落としていた🏴☠️
そんなかつての同業者たちを飯の種にしているのがポルコ・ロッソ(紅の豚)!🐷
アドリア海のエースと呼ばれた英雄マルコ・パゴット大尉その人である。
かつては軍人として活躍した彼だが、戦争により人間に失望し自らの顔を呪いで豚へと変えた。
ファシストを嫌い、国家や民族に縛られず、自らの名誉の為だけに空を駆ける彼の名声は遠いアメリカの地にも届いており、ドナルド・カーティスという若き天才パイロットが彼を倒し名声を手に入れようと、イタリアへとやって来る🐍
そこで切られる戦いの火蓋💥
名誉と金と女をかけた男と男の決闘!くぅ〜、堪らん世界観!
この作品はとにかく説明が少ない。
いちいち時代背景について説明しないし、豚へと姿を変えられた理由も殆ど説明がないため、子供の頃はよく理解できなかった。
でも、この視聴者を突き放すスタンスが本作の魅力となっている、と思う。
この作品の魅力はとにかく楽しいドタバタ空中アクション!…ではない。コメディ要素満載な物語の裏にある、寂寥感にこそある。
本来語るべき物語は、この映画で描かれている時代よりも前に存在している。
幼なじみジーナへの淡い恋心と失恋。親友とジーナの結婚。愛機サボイアとの出会い。戦争と別れ。人間への失望。豚への呪い…。
こういったドラマチックなストーリーがあるにも拘らず、それらは物語の裏側に追いやられている。
実際に描かれるのは前述した事柄に比べれば取るに足らない小競り合い。
社会は窮屈さを増し、かつての若者たちは歳を取り、「熱風」のような時代は過去のものへと過ぎ去った…。
もはや語るべき物語は存在していないのだ。
この寂しさや斜陽感が、ドタバタコメディの合間からふと顔を出すため、より一層悲しみが胸を締め付ける。ジーナさんが登場するだけで泣いてます😢
しかし、フィオやカーティスといった新しい時代の若者たちは、オヤジ達の燻りなど知ったこっちゃねえ!と言わんばかりに、「熱風」を背にそれぞれの情熱を燃やす🔥
そんな彼らに影響されて、ポルコもまた再び情熱を取り戻す。
中年を描いた作品だが、その本質は新しい時代を生きる若者たちへのエール。
だからこそ、この物語は全てが終わった(…とオヤジ達が思い込んでいる)時代が舞台なんだろう。
ポルコやジーナが失ってきたものを思い涙を流し、新しい時代への希望に胸を躍らすことが出来る、真に大人の為のアニメ。
糸井重里がつけたキャッチコピーは「カッコいいとは、こういうことさ。」
これはポルコの生き様のことを表していると思っていたが、そうではなかった。
ポルコの社会に迎合しない生き様も、ジーナの飛行艇乗り達に対する無償の愛も、カーティスの野心も、フィオの道を切り開こうとする情熱も、フェラーリンの軍人としての責任感も、空賊達の愚直な人生も、みんなみんなカッコいいのだ。自分の信念に従って生きている人間はそれだけでカッコいい。
そんな人間達が一生懸命に戦うからこそ、『紅の豚』の世界はフィオの言う通り「本当に綺麗」なのだ。
ピッコロ社で埃をかぶっていたエンジンに刻まれていた文字は「GHIBLI」=「熱風」。
宮崎駿が世界中にその名を轟かすのは、本作の少し後のことである…。
ジーナは賭けに勝ったのか?それは…内緒🤫
※
製作費:9億円
興行収入:54億円
=大ヒット!
豚という色眼鏡
この作品の最も謎はポルコがなぜ豚か。
悪い魔法使いに魔法をかけられたとか、
お姫様のキスで魔法が解けるとか、劇中でところどころでてくるものの、みんな気になりながらも自然と慣れていき、気づいたら美しい世界と、熱い男たちのぶつかり合いと、猛烈な女の闘いに引き込まれてどうでも良くなっていく。
でもそれがおそらく正解で、ポルコは本当に豚なのか。
豚から解けたと思わせる瞬間が2箇所ある。
フィオナが寝ながら横顔を見ていた時と、カーチスと殴りあった後。
これが意味するのは、別にポルコは豚の顔をしてるわけじゃないんじゃないかと。
英雄だったポルコが戦線から逃げ帰ったことで、おそらく彼は非常に非難を受けた。軍からも備考され、彼は豚の烙印を押されたのだろう。
それが魔女の魔法か。
あるいは、彼が豚であると魔法をかけられたのは周囲の人間たちか。
でも若い世代のカーチスやフィオナはそういう評判を知りつつも、彼と殴り合ったり、恋をしたり、それ以上の関係になっていた。だから、色眼鏡を外して彼の本当の顔が見られたのではないか。
そう考えると、その2人以上近いところにいて彼の理解者であったはずのジーナにも豚の顔に見えていたことが腑に落ちないところもあるけど、彼女の大切な人を失ったことや、それを深く後悔して罪を感じているポルコの間が少しあるのもわからないでもない。
周りの評価ではなく、実際に恋をしたり殴り合ったりしないとその人が見えてこないよなと感じさせてくれた素敵な作品である。
格が違う。
25年ぶりに見てみたらあまりの素晴らしさに打ちのめされた。当時見たときはそれほどいい作品だとは思わなかったのだが・・・・私が価値を読み取れなかったのだろう。
宮崎駿の演出ではカメラがこれほどまでに動かないのかと驚いた。戦闘シーン以外ではほとんど動かない。人物だけが動いている。戦闘シーンでも結構カメラは固定で飛行機だけ動いている。それが過剰な興奮を抑えこのような深みのあるラストを導き作り出したのであろう。
余計なネタは一切入れずグイグイ話を進ませて90分で終わりにしてしまう。これが模範なのだよ、映画脚本は。
しかし脚本としては稀な構成になっているので指摘しておこう。
映画は普通、はじめの方で主人公に課題が提示され、それをどうクリアするのか?
というベクトルで進んでいく。しかし、この脚本はまず、子供達を助けに行くというその場限りの課題で始まり、30分くらい経ってからようやく飛行機を直さなければという課題が発生する。だが・・・それはこの物語に読者をひきつける本当の課題ではない。本当の課題はポルコの今後である。
「おめぇ世捨て人みたいになっちゃってそういう生き方をしてるけど、時代が変わったからもうその商売ダメだぜ。どうするよ?」
って説明ゼリフはないけども、暗にそういう課題が提示され観客はポルコを見守っていくのである。これはそういう映画なのだ。子供たちの救出、飛行艇の修理、娘っこの結婚の阻止とその場限りの課題を寄せ集めただけの如くな外観を持ちながら実の課題はポルコの行き方・将来なのだ。主人公のキャラがいいのでその課題が実に生きている・・・その強がり、寂しさが歌にマッチしていて素晴らしいラストシーンとなっている。
それと飛行機を直す課題と借金を返す課題と彼女問題を上手くリンクさせて仕上げている。見事だ。脚本が単純でまるであっという間に簡単に一筆で書いたように見えるのはそれが見事な脚本だからである。これは宮崎駿の最高傑作かも知れない。少なくともそう呼ぶに値する水準に達成ている映画である。
随所にキマっているセリフのカッコよさ。冒頭部分の面白さ。退屈になりそうなところで工房に女ばかりやってくるというアイデアの冴え。むかし語りのイメージの美しさ。もちろん、その部分は主人公の課題にリンクしていて訴えるものが強い。女の子が随分経ってからでてきてしかも危うくヒロインとキャラかぶりする寸前なのだが上手く処理されている・・・これは書こうと思って書けるレベルの脚本ではなく神の力によって書けてしまった脚本である。そして天才とは神の力によって何度もいい作品が書けてしまうのである。そして素晴らしい音楽に恵まれてしまうのである。私は映画はこれで二回見ただけだがサントラは25年前に購入してこれまで何度も聴いている。
カッコいいとは
"金曜ロードSHOW!" で鑑賞。
原作マンガは未読です。
何度観たか分かりません。しかし観飽きない。本当に名作です。これから何回でも観たい。未来永劫語り継いで欲しい。
飛び出すセリフの数々が耳に残るものばかり。声と絵が完全にマッチしていてしっくり来るからこその説得力でしょう。
エスプリの効いたやり取りが秀逸でした。
ポルコのカッコ良さには毎度惚れ惚れさせられます。まさに「カッコいいとは、こういうことさ」。カッコいいの本質が詰まっている。と云うか、映画自体が大人っぽくていい。歳を取れば取るほどその魅力にヤラれていく気がします。
今回改めて観て、キャラクターの表情のひとつひとつがとても繊細に描かれていることに感心しました。ふとした表情に見える心の動きが実写顔負け。否、それ以上。ジブリ作品全体に当てはまる特徴ではないかなと思いました。
[以降の鑑賞記録]
2022/01/14:金曜ロードショー
※修正(2023/10/01)
主人公は豚じゃないとダメ
小さいときに初めてこの映画を観たとき、衝撃を受けました。何に衝撃を受けたかって、「大人の世界」にです。渋い主人公、ロマンチックなレストランに、色気溢れるお姉さん。しかも舞台はイタリアで、より自分からの遠さを感じていました。
しかし、よく観てみると「ん?笑」と思う場面がたくさんあるんです。
まず、主人公は豚。空賊たちは単純。ジーナに惚れた飛行艇乗りカーチスの心は少年。
かっこいい「大人の世界」の住人だからといって、みんなの全部が「大人」な訳ではないんです。みんな弱さと強さがあって、すごく人間らしい。そういうところが「自分から遠い世界の物語」に親近感を湧かせてくれるし、ファンタジーな宮崎駿ワールドに魅了されます。
飛行艇に乗っているシーンでは映像に臨場感があって、観ていてとても気持ちがいいです。
加藤登紀子さんの「さくらんぼの実る頃」はあのレストランの雰囲気とジーナにぴったりで、呑まれるよう美しさです…!
やりたいことがあって、明るくて、男とか女とか関係ない強さを持っているフィオが大好き!憧れの存在です^^
飛べねえ豚はただの豚だ。
なんだかんだしっかり観たの初めて。フィオ可愛い。ジブリ作品の中でも上位。カーチスもいいやつ。
結局マルコはなんで豚になったのかがよく分からんかった。優しい人たちの世界だった。
男らしいかっくいい作品。 これを今まで観たことがなかったことが恥ず...
男らしいかっくいい作品。
これを今まで観たことがなかったことが恥ずかしい。
名言がありすぎる!メモに残したいくらい。
ポルコが人間に戻れたのかどうなのか謎なところもまた◎
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