「ただのアン・ハサウェイのPVだ、これ!」プラダを着た悪魔 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ただのアン・ハサウェイのPVだ、これ!
一流ファッション誌の編集部に就職したアンドレアが、悪魔の様な編集長ミランダの元で働くことにより成長していく様を描くヒューマン・コメディ。
鬼編集長ミランダを演じるのは『クレイマー、クレイマー』『永遠に美しく…』の、レジェンド女優メリル・ストリープ。
主人公アンドレアを演じるのは『プリティ・プリンセス』シリーズや『ブロークバック・マウンテン』の、後のオスカー女優アン・ハサウェイ。
アンドレアの職場の先輩エミリーを演じるのは『マイ・サマー・オブ・ラヴ』のエミリー・ブラント。本作は彼女のハリウッド進出作でもある。
アンドレアのメンターでもあるファッション・ディレクターのナイジェルを演じるのは『ザ・コア』『ターミナル』のスタンリー・トゥッチ。
第64回ゴールデングローブ賞では、メリル・ストリープがミュージカル・コメディ部門に於いて主演女優賞を獲得している。
数々のノリの良いポップスが映画を彩る、基本的には楽しい感じの映画。
舞台がファッション雑誌の編集部というだけあって、登場するファッションは皆オシャレでついつい目を奪われてしまう。
また、メリル・ストリープとスタンリー・トゥッチは非常に素晴らしい演技を見せてくれる。
なんとなく楽しそうな感じがする映画で、実際観ているとなんとなく楽しいのだが、はっきり言ってものすごーく薄っぺらい。
仕事を頑張る私。頑張りすぎて彼氏と別れちゃって悲しい…。けど、パリは楽しー♪
ついついブロンドヘアのイケメンと一夜を共にしちゃうけど、やっぱり彼氏のことが大好きだからよりを戻しちゃお💕あ、仕事は上司がクソだからやっぱ辞めるわ。
なんだこのストーリー…。なんかいい話風な感じで締めくくられてたけど、こんなんで感動するわけないだろが!
とにかく描かれるのはアン・ハサウェイがドタバタするコメディ場面だけ。
大体アンドレアの仕事は『ハリー・ポッター』の新刊探すだの、ミランダの飛行機手配するだのコーヒー買うだの、全然ファッション雑誌の編集部としての仕事しとらんやんけ!
こっちは一流ファッション雑誌の編集者として成長する主人公が見たかったのに、ただただアン・ハサウェイがオシャレになっただけやんけ…。
アンドレアの彼氏にしろ職場の先輩のエミリーにしろ、アン・ハサウェイの引き立て役にしかなっておらず、人物描写に深みもクソもない。
大体アンドレアのことをダサいだの太いだの散々貶していたけど、全然太ってないし、たしかにファッションはちょっと野暮ったいけどあれだけ可愛い女の子なら何着てても普通に可愛いわい!
アン・ハサウェイが主人公である以上、この設定には無理があるのでは?
キャラクターとしてはアンドレアよりもミランダやナイジェルの方がよっぽど面白い。
ナイジェルの放った「君は全く努力していない」という台詞は核心をついた良い台詞だし、子供の頃からの憧れである「ランウェイ」で働いていることに対しての誇りが感じられる人物造形は大変良い。
クライマックスでの彼の落胆ぶりには、やはり感情移入してしまう。
ミランダも非常に面白いキャラクターだった。
ただの理不尽なババアかと思いきや、ラストでの狡猾な策士ぶりにはついつい舌を巻いた。
彼女の過去やプライベートなど、深く描いていけばもっと面白くなっただろうと思うと残念。
はっきり言ってアン・ハサウェイをいかに可愛く撮るか、そこだけを追求した映画であり、内容は毒にも薬にもならない。
アン・ハサウェイはすごく可愛かったので試みは成功しているといえるが、わざわざ有難がって見る様な作品では断じてないと思う。
たなかなかなかさん
こんばんは。
ファッション雑誌の仕事してない!大笑い。
ハリーポッターが手に入らなくて首になりそうとか意味不明。
なんかそんなストーリーですねw