「ちっとも謎解きは終わっていない」ダ・ヴィンチ・コード Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
ちっとも謎解きは終わっていない
総合:70点
ストーリー: 60
キャスト: 80
演出: 65
ビジュアル: 80
音楽: 65
キリストが神の子なのかただの人間なのか。キリスト教の話なので、多くの日本人にはわかりにくいというか、あまり関心のない話だろう。
映画はややせわしないし強引なところもあるが、豪華で綺麗な映像もありそれなりに楽しめる。キリストとマグダラのマリアの子孫をDNA検査なり何かで確認するためには、その元であるマグダラのマリアの存在がはっきりと確認されなければならない。マグダラのマリアの存在と場所が最後にルーブル美術館の地下にあることが明らかにされて、最後にオードレィがキリストの子孫であるというのもそれでかまわない。
しかしそれはいいとして、物語の主題に決定的な欠陥がある。それは今回の謎解きによってマグダラのマリアが発見されたとしても、それが本物のマグダラのマリアなのかどうかは確認されていないということである。この映画の謎解きでは本物であるとされているだけである。オードレィが地下のマリアの遺体と血縁関係があったとしても、その遺体がマリアではなく偽者である可能性がある。あるいはオードレィはキリストとマリアではなく、マリアと単なるそこらあたりにいた誰かとの子孫なのかもしれない。実際数年前にキリストの死体を包んだ聖骸布が本物か偽物かという議論があり、結局偽物という判定があった。
そう考えると、これだけではキリストの子孫である証拠にはならない。だからここで映画が終わっても、私に言わせればちっとも謎解きは完結していないのである。その意味で最後は拍子抜け。でもその過程はそれほど悪くはない。
公開前はかなり話題になってすごい映画なのかと思ったが、みんなの評価を今見てみると予想よりも全然悪かった。個人的には話題ほど良くもないが、ひどい映画でもなかったというところです。