劇場公開日 2006年5月20日

「遺跡巡りがしたくなりました」ダ・ヴィンチ・コード とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0遺跡巡りがしたくなりました

2019年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

萌える

世界遺産巡りが流行っているが、その遺産の成り立ち、造形の意味等を勉強してから訪れると、同じものがさらに豊かに語り掛けてくるんだなあと改めて思いました。行けばいいってもんではない。

映画はぐいぐい押してくる。
コード・サインの意味を解きながらの宝さがしや、
犯人探し
と、本当は幾重にも張り巡らされたミステリーのはずなんだけれど、
手掛かりをじっくり吟味する暇を与えずに、
能力者か?といいたくなるような技で、核心にせまっていく。
きっと、原作をかなり端折っているに違いない。
そう、
映画だけをみると、強引な論理で決着させてしまう。
キリスト教信者にはかなり評判悪いと聞いたが、
”その”キリスト教信者が受け入れがたい部分だけのせいではなかろう。
キリスト教信者ではない私だって、”物語”として面白がれるけれど、これを信じろと言われたら、あり得ない話ではないと思うが、ツッコミどころ満載。
う~ん、予告でかなり謎解きを強調させていたから、肩透かし。
モナリザも関係ないし。
そんな点が評価を下げているのだろう。

とはいえ、漫然と見ていた教会や遺跡・絵画を、この意匠はどういう意味を持つのか、
遺跡巡りをして、自分なりの”物語”を紡ぎたくなる。

というものの、
映画は、誰が味方で、誰が敵か、
名優たちの演技力のおかげもあり、
変な先入観の期待さえなければ、楽しめる。
荒唐無稽に見える各説も、ほう、そんな見方ができるのねと、面白い。
アメリカ人はアメリカ人らしく、イギリス人はイギリス人らしく、フランス人はフランスらしいのもツボ。

それにしても、”神”や自分の”信念”のために、人を道具として使う奴はどこの世界にもいるものだ。
シラスの境遇に涙するとともに、シラスにも、心の中だけでだけれどシラスを思ってくれていた人がいて、ほっとしたし、
犯人逮捕の時は、「正義は勝!」って、グーサイン出しちゃった。

原作未読

とみいじょん