WEAPONS ウェポンズ

劇場公開日:2025年11月28日

解説・あらすじ

コメディアン、脚本家、監督、俳優など多彩に活躍し、2022年に発表した監督作「バーバリアン」が高い評価を受けたザック・クレッガーが、監督・脚本・音楽を手がけたホラー。

舞台は静かな郊外の町。ある水曜日の深夜2時17分、子どもたち17人が突然ベッドを抜け出し、暗闇の中へ走り出したまま姿を消す。消息を絶ったのは、ある学校の教室の生徒たちだけだった。なぜ彼らは、同じ時刻に突如として姿を消したのか。疑いの目が向けられた担任教師ガンディは、残された手がかりをもとに集団失踪事件の真相に迫ろうとするが、この日を境に不可解な事件が町で相次ぎ、やがて町全体が狂気に包まれていく。

物語は登場キャラクターそれぞれの視点で描かれ、モキュメンタリー風の演出も相まって、全米では公開後に観客の考察が飛び交い、スマッシュヒットを記録した。出演はジョシュ・ブローリン、ジュリア・ガーナー、オールデン・エアエンライク、オースティン・エイブラムス、ベネディクト・ウォンら。

2025年製作/128分/R18+/アメリカ
原題または英題:Weapons
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2025年11月28日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第83回 ゴールデングローブ賞(2026年)

ノミネート

最優秀助演女優賞 エイミー・マディガン
シネマティック・ボックスオフィス・アチーブメント賞  
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映画レビュー

4.5 新潮流ホラー×多視点パズル、ピタリとはまる快感

2025年11月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

斬新

ここ10年ほどの米国発ホラー映画にみられる新たな潮流に沿う秀作だ。新潮流の作品群を挙げると、“それ”が追ってくる遅さが斬新な「イット・フォローズ」(2014)、アリ・アスター監督衝撃のデビュー作「ヘレディタリー 継承」(2018)、ジョーダン・ピール監督の「ゲット・アウト」(2017)と「アス」(2019)など。物語類型としては、どこにでもありそうな郊外の町に住む普通の人々が、得体のしれない何かによって日常が変容する出来事に巻き込まれていく。

演出スタイルの面では、前世紀からある強烈なモンスター(巨大生物、凶悪なエイリアン、冷酷な殺人鬼など)による襲撃を突然の大音響も添えてインパクトの強い映像で提示する、テーマパークのお化け屋敷や絶叫マシンのような怖がらせ方とは一線を画す。比較的抑えた演出で、観客の想像と好奇心を刺激しながらじわじわと恐怖をあおっていく傾向が類似し、だからこそ、ここぞという場面でのインパクトが一層効果的になる。

古くは黒澤明監督の「羅生門」、最近では是枝裕和監督「怪物」で採用された多視点でタイムラインを語り直すスタイルも特徴的だ。脚本兼監督のザック・クレッガーによる「WEAPONS ウェポンズ」のストーリー構築術を、こんなふうにたとえることができるだろう。学童の集団失踪、住民の不穏な行動、やがて起こる惨事。これらすべてをもたらす“何か”、いわば諸悪の根源を“軸”とし、ここから生じる渦に巻き込まれた主要キャラクターたちが軸のまわりに貼り合わさって集合体のオブジェになる。クレッガー監督はこれを複数キャラのピースで構成されるパズルに見立てていったんばらし、女教師ジャスティンの視点から順にタイムラインを語ることで、パズルのピースがはまっていくたびに災厄の全貌とその核心が少しずつ立体的に見えてくるよう組み立てた。その緻密な仕掛けは見事と言うしかない。次回作が楽しみな監督がまた一人増えた。

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共感した! 22件)
高森郁哉

4.0 ネタバレを厳守してヒットに繋げて欲しいワーナー映画渾身の1作

2025年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

怖い

興奮

民泊を利用した女性がおぞましい事態に巻き込まれていく『バーバリアン』('22年)で知られるザック・クレッガー監督の最新作は、世に出る前から配給会社の間で争奪戦が展開していたという。それが本年度を代表する画期的な異色ホラー映画になると、誰もが確信していたからだ。

結果的に、そうなった。ある朝、とある小学校の教室にいつものように登校してくるべき子供たちが、1人を省いて姿を見せないという、不思議で不気味なオープニングで始まる物語は、担任教師や生徒の保護者たち、幾人かの関係者それぞれの視点を用いて事件の核心に迫っていく。やがて、いったい何が起きたのかが分かるのだが、クレッガーが用いた"羅生門形式"による事実の検証はもちろん、後半詳らかにされる真相が想定外というか、こう来るかというか。ただただ呆気にとられるわけである。アメリカでも日本でも極度にネタバレを警戒している理由が分かるのだ。

書けないことが多すぎること。それが集客に繋がることを期待したい。なぜなら、本作はワーナー・ブラザースジャパンが最後に配給する洋画作品だからだ。ハリウッドメジャーの中でも一際ブランド力が高かったはずの同社が、ラストに持ってきたのがホラーマニアも唖然の1作だったという、映画顔負けの捻りの効いた結末に、静かな喝采を贈りたい!

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共感した! 26件)
清藤秀人

4.5 謎が謎を呼ぶ展開に目を見張る

2025年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

久々にワクワクしながらスクリーンに魅入った。一晩で17人の生徒が姿を消す。そんな異常事態で始まる本作は、最初の時点で我々に何らジャンルのヒントを与えない。待ち受けるのはスティーヴン・キング的な展開か、それともジョーダン・ピールか。はたまたもっと古典的で寓話的な何かだろうか。街はそれほど大きくない。しかし理由も原因もわからぬ事態に学校は揺れ、親の怒りは頂点に達しており、誰もが平静を保てなくなる中で担任教師をはじめ何人かの視点によるチャプター形式が起動し、謎の着火点への包囲網を狭めていく。時々ゾッとするほどの暴力描写もあるものの、この語りのトーン&観客を置き去りにしない静謐なテンポ感は見事というほかない。そして本作のジャンルが判明すると同時に核心へとなだれこむ後半以降に関しては、いっさいの情報を遮断して臨むのが好ましい。観賞後、余韻冷めやらぬ観客の何人かはきっとあの走り方で劇場を後にするはず。

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牛津厚信

4.5 ホラー映画ではありますが、1つの物語を多角的に描いていて、意外なと...

2025年12月17日
Androidアプリから投稿

怖い

興奮

驚く

ホラー映画ではありますが、1つの物語を多角的に描いていて、意外なところで繋がっていくのが印象的でした!

タイトルの真意に驚愕しました!!

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門倉カド(映画コーディネーター)