劇場公開日 2025年12月19日

「キーになるのは「ふくし」」楓 Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 キーになるのは「ふくし」

2025年12月19日
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鑑賞方法:映画館

スピッツの「楓」がインスピレーションの元になっている本作は、モンパチの「小さな恋のうた」(2019年)やHYの「366日」(2025年)など、ヒット曲をモチーフにして作られた物語作品の系譜の一つ。『366日』が比較的歌詞の内容を丁寧になぞっていたのとは対照的に、「心のトゲ」「のぞいた穴」「一人きりじゃ叶えられない」「僕のままでどこまで届くだろう」等、いくつかのフレーズを拾い上げてそこから想像力を広げていって繋ぎ合わせた感じ。

福原遥演じる亜子(アコ)が事故の後遺症として患う症状が一つの物体が二つに見える「複視」。本作でも一人が二人なのか、二人が一人なのか、人物が二重に見える映像が鍵になってくる。

まさか複視だから福士蒼汰がキャスティングされた訳ではないだろうが、彼が恵(ケイ)と涼(リョウ)の演じ分けは素晴らしく、南部ダイバー(笑)の頃から比べると格段に演技力が上がったことが分かる。

映し出される風景の美しさに加えて、意図的に逆光でレンズフレアやゴーストを入れ込んでいることで映像美を強調しているが、同時に眼科的な疾患をも象徴しているように思えた。

物語は若干辻褄合わせのための展開になってしまっていることもあり、もう少しブラッシュアップできたのではないかと思えるのがスピッツ・ファンとしては残念。

Tofu
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