クラッシュ(2005)のレビュー・感想・評価
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その人を知ろうとする勇気
群像劇による、多視点からの「衝突(クラッシュ)」。日常に潜んだ人種差別や偏見を浮かび上がらせた、社会派な作品でした。
序盤は不安と怒りの感情が目立ち、あからさまな人種差別発言や外見からくる偏見に、観ているこちらももやもやしてしまうのですが、中盤以降からは各登場人物が繋がったり、様々な展開に目が離せませんでした。
最初は酷いことを口にする悪い人物に見えても、後々事情が見えてくると感情移入できるようになっていくのもおもしろかったです。絶対的な悪人がいないのが素晴らしい。人は一面だけでははかれないと改めて思いました。
人によってグッとくる人物が異なりそうなのもいいですね。個人的にはグラハム、ライアン、ダニエルが特に心にきました。トムには考えさせられました。
グラハムとリックのやりとりがわかりにくく感じたので、そこだけ注意した方がいいかもしれません。
私自身は衝突を避けてしまう方なのですが、勇気を出してぶつかることも時には必要だと思わせられました。自分を出すことで、相手に自分をわかってもらうことも必要なのかなと。そうしたやり取りの中で、徐々に相手のことも見えてくるのではないかと思いました。
未知への不安や恐怖からくる差別や偏見は、完全に無くすことは難しい。だからといって避け続ければ、その溝が埋まることはない。衝突することでその人と分かり合えたり、自分自身が得られるものもあるのだろうと考えさせてくれました。
いい作品です。
差別と偏見と正義と勇気
人種差別思想の警官の憂さ晴らしと、それでも目の前で事故があれば自らを顧みず助けに行く勇気
新米刑事の熱い正義漢は、黒人への恐怖や偏見からか、自らを守るために殺人に手を染めてしまうほどに堕ちていく。
何が正義で何が悪か、人種の壁とは、差別とは、一人一人の人生とそこに至るまでの環境とが描かれ、決して誰も責められないのではと思うほどに悲しい現実が突きつけられる。
ただ一つこの映画の中で描きたかったのは、誰もが守りたいものを持ち、そのために強くなれる心の有り様なのではないだろうか
マイナス要素を集めて助長。最悪
なぜ全員が急に変わり始めたのか?
(たくさんのレビューが寄せられているので、僕は別の視点から)
.
なぜ全員が急に変わり始めたのか・・・
説明は何もない。
唐突に物語が転調する。乱暴に。
ただ繰り返し繰り返し印象的に画面の隅に映るのはツリーとリースと雪だ。
聖夜にそれは起こる。
和解と新生、希望と愛、そして 贖い (あがない=身代わり) の赦しを告げる神の子羊=幼子イエスがこの世に与えられた
― これだけが”逆転“の理由として思い当たるファクター。
「クリスマスの奇跡」の映画ですね。
これは歴代のクリスマス名画に並ぶ現代のキリスト教信仰の映画だと思います。
これを観てイーストウッドはグラン・トリノに到達する。
ヒント:新約聖書第4巻「使徒行伝」。
その伏線としてはその前「マタイ~ヨハネ」3巻からの4巻通しての読破。
キーワードは「サウロ」。
・・・・・・・・
ヘイトの人たちに観てもらいたい。
自分がその瞬間にどんな顔をしているのか。
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衝突
社会問題と感動と。
試される映画
今までの人生で考えた人間性という物のについての考えの答え合わせをされるような映画でした。
なにをどう取っても感想が溢れ出てくるような濃密さです。個々の登場人物の行動が、一つ一つの映画にできるような気がします。
全体としての主題は、人の無力さ、どうもがいても結局良い方向にも悪い方向にもなるようにしかならない、凄くちょっとした些細な事がその方向を左右し、それは運に近いものだ。という事だと捉えました。
オープニングのボケた光の映像から引き込まれました。ドローンの様な映像も独特かつ自然で、とても美しい映画です。
演技も全員すごかったです。痺れまくりました。
一つ、最初の追突事故の時系列がよくわからなかったです。
めちゃめちゃ切ない
アザとい脚本に演出
登場人物の感情や価値観が全て逆方向に変化する映画
差別と偏見
この映画の面白い所は
差別、偏見ダメ!
っていうのをストレートに伝えてない所。
逆にリベラル的な考えを真っ向から否定します
差別に対して、
単純に良くないと習って覚えた弱い正義感
は破滅を呼ぶんだなって思いました。
新米警察官とセクハラ人種差別警察官の対比にそれがよく出てますね笑
最初はセクハラ野郎最悪だなぁって思うんですけど後々彼には介護をする父がいて父は黒人に対して分け隔てなく給料を与えていたのに黒人差別撤廃の政府の動きによって妻にも仕事にも見放されてしまう、そんな現実に不満や怒りにいつもぶつかっていた人なんですよね
それに対して新米は小さい時から差別良くないという教育からそーいったぶつかり合いが無かった
だから弱い正義感で車泥棒逃がしちゃって警察官の仕事を真っ当にできなかったり黒人のポケットに手をやる動作で勘違いしてしまって銃殺する間違いをうんでしまったんだなと
人との衝突を避けて和を大切にする日本人は
見た方がいいのかも。
物事を一方方向からしかみるのではなく
多面的に見れる人間になりたいなぁ
そーゆーふうになるのもやっぱり経験かなあと思いました
個人的に天使の話良かった。空砲でほんと良かった😭
まあ、群像劇っていえばそうだけど。
現代に潜むストレスの原因は妄想
この映画は人間が常にイラつき
常に人に高圧的になってしまっている原因を描いています。
人種問題を題材にはしていますが
描きたかった物の根本は『人種差別が行われる原因』だと感じました。
黒人は陽気でいい加減
白人は酒飲みで自尊心の塊
アジア人は意地が悪く
東南アジア人は貧乏で
中東系はテロリスト
これが自分の中にある偏見です。
この偏見は一体どこから来たものなのか、、
一部は経験から 一部はテレビから
一部は人の話から勝手にイメージ上の人物像が出来上がり今にいたります。
つまり、外国人と相対した時、
目の前の人物を見ることなく
一人で勝手に妄想し
一人で勝手に信じ込み
一人で勝手に相手を決め付け
イライラしたり、勝手に仲良くなった気になってるだけという(笑)
こういうバイアスや先入観は
映画を見たくらいで拭えるような代物ではないですが
同人種でも他人に意味なくイライラしたりしてしまうような時は
原因は自分にもあるという事を気づかせてくれるキッカケになる映画だと思います。
途中、息苦しくなるよう空気感でズシーンと進んでいきますが、登場人物達にとって救いのある終わりかたで
見てる側にも重いながらも爽やかな幕引きで良し。
シナリオはとても良くできているので
普通の映画として見ても楽しめます。
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