マルティネス

劇場公開日:2025年8月22日

解説・あらすじ

孤独死した隣人女性に思いを募らせる男性の姿を通し、「老い」と「孤独」を独自のユーモアでつづった、メキシコ発のラブストーリー。

メキシコで暮らす60歳のチリ人男性マルティネス。偏屈で人間嫌いな彼は、会計事務所での仕事やプールでの水泳といった日々のルーティンを決して崩さない。しかしある日、会社から退職をほのめかされ、後任のパブロがやって来たことで、彼の規律的な日常は揺らぎ始める。時を同じくして、マルティネスのアパートの隣人である同年代の女性アマリアが、部屋で孤独死していたことが判明。アマリアの私物の中に自分宛の贈り物が残されていたことを知ったマルティネスは、彼女に興味を抱くようになる。遺された日記や手紙、写真を通して彼女への思いを募らせていくうちに、マルティネスは心の奥深くに眠っていた人生への好奇心を取り戻していく。

メキシコ出身のロレーナ・パディージャ監督が長編初メガホンをとり、パンデミックを通してメキシコの若者と高齢者との関係性が変化したことに着想を得て制作。「ナチュラルウーマン」のフランシスコ・レジェスが主演を務め、偏屈だが愛さずにいられない主人公マルティネスを説得力ある演技と存在感で魅力的に演じた。

2023年製作/96分/G/メキシコ
原題または英題:Martinez
配給:カルチュアルライフ
劇場公開日:2025年8月22日

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(C)2023 Lorena Padilla Banuelos

映画レビュー

3.5 ハッと心掴まれる趣向や語り口がやさしくて心地よい

2025年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

老いや孤独というテーマを、一握の切実さと可笑しみをまぶしながら描く。そういった意味では、どこの国でも作られる普遍的な万国共通のストーリーとも言えるのだが、しかし本作には決してそれだけでないハッと心を掴まれる趣向や語り口がある。ひとつにはマルティネスという口数少なく、常に険しい表情を絶やさない主人公がなかなか魅力的なのだ。彼のキャラクターや生活のリズムが確立されているからこそ、本作はミニマルな構造にふと別の風が吹き込んでくる時の新鮮さを味わえる。また、下階の部屋で孤独死した女性の遺品を紐解くうちに、だんだん心の内側に別の色合いが芽生え、これまで感じたことのない他者への慕情が溢れてくる展開もユニークで愛らしい。結局のところ、主人公の60歳という年齢はひとつの間口に過ぎず、この映画は年齢や性別に関係なく、すべての観客の心を包み込む。いついかなる時でも、人は変われる。その気づきが優しくて心地よい。

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牛津厚信

4.0 パブロは本当にイイ奴だった

2025年9月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

斬新

60歳を迎えたチリ人のマルティネス。
キレイ好きで、几帳面、堅物で極端に人付き合いも悪く、お礼も満足に言えない人間嫌い。
アパートは夜になっても一晩中デカい音が鳴りっぱなし。耳栓して寝るのに慣れてしまって、音がしなくなってからは自分のテレビをつけっぱなしにして耳栓して寝る。
本当は寂しがり屋。
アパートの大家さんから、階下の女性からのプレゼントだと渡された木製の小鳥の置物。
孤独死した階下の女性の名前はアメリア。
窓下の廃棄処分された彼女の遺品を自分の部屋に大量に運び込むマルティネス。
かなり変態。
解雇が言い渡され、後釜のパブロがやってくる。パブロは一回り年下のメキシコ人で、あかるく、おせっかいな性格。
男2人でランジェリーショップに行って、アメリアへのプレゼントにピンクのキャミソールを買う。
そのあとのマルティネスの行動は恥ずかしくて観てらんなかった😎

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カールⅢ世

3.5 コンチタちゃんの誕プレ買ってあげたい

2025年9月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

不覚にもクスリと笑ってしまう場面は多数あったものの、結構えげつない妄想男のお話。死人のゴミ、盗むのは良くない。観ていてゾワゾワする。でも脇を固めるコンチタちゃんとパブロは最高✨
イグナシオ、幸せになってね💜

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らまんば

3.5 老いること

2025年9月6日
Androidアプリから投稿

初老で偏屈な男の話。自分に照らし合わせてしまった。

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えんち